出版業界に長くいながらも、出版プロデューサーの仕事が遠かったのは、自分自身エージェントを通した企画で本を作ったことはなかったし、持ち込みの企画で本を作ったことはなかったからだと思う。年間30冊作っていたときも、自分で企画しなければ、という気持ちだった。基本的にはその気持ちは変わらないが、でもどんな本を世の中に問えるかが問題なわけで、手段はそんなにことだわらなくてもいいと思ってきた。編集者は常に企画を探している。

 

ただ、「企画ありますから、見てください!」といっても、打ち合わせが実現する可能性は高くない。まずは企画書を送ってくださいとなり、そこからやりとりが始まり、企画をブラッシュアップしていくことになる(もちろんその段階で、NGが出されることも多い)。ある編集者は、そのプロセスを「テニスのラリー」と表現していた。企画というボールが打ち込まれたら、編集者は、ブラッシュアップのポイントを伝えて、課題として打ち返す。それが何度も続くということ。ただ、「95%がフォルト」と言っていた。「ポイントをはずしている企画が多いので、打ち返したくても、打ち返せない」ということだ。なんとも厳しいが、そこを打破しないと話は進まない。反応がないのは、その編集者からすれば、クオリティを満たしていないということだ。

 

激務の編集者に目をとめてもらうためにはどうすればよいのか?そこから逆算する。提案者が相手コートに打ち込むポイントと打ち返すポイントがわかれば、見てもらえる可能性はグッと高まる。まずは編集者に見てもらうポジションを得ることだ。それ以前んい、ラリーを続ける覚悟があるかどうかが問われる。

 

なんでも自分でやろうとする姿は、一見正しいように思えるが、師匠についたほうが圧倒的に上達・進歩は早い。我流でやると限界はすぐにやってくる。過去を振り返ると、結構このパターンを繰り返してきてしまった…。いろいろ、残念なことが頭をよぎる。今は、言われたことを愚直にやることの素晴らしさと難しさの両方を感じる。

 

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