プロデューサーとしての本作りは、クライアントありきなので、その人がどんな本をかけるかの視点に立っている。テーマから著者を探すことは今のところない。

今企画しているもののなかに、とてもニッチな企画がある。こんなテーマが本になるのか、と思ったほど。ただ、そのポジションはねらったものではなく、クライアントがそもそもニッチなビジネスをしていたためだ。長い間知っている人だったが、ビジネスを詳細を聞けばきくほど、そのニッチなビジネスがおもしろくなってきたし、そのビジネスは順調そうだ。競合他社はないわけではないが、ビジネスのポジションを明確にしているし、そもそも競合書があまりない。

別の進行中の企画もそうだが、その社長は、「自分の会社はライバルはいない」と言い切っている。その理由は、まったく意外なところにあった。どこで差別化するかは、本当に経営者次第なのだと思う。そうやってビジネスをしているのだ。取材してみないとわからなかった。人の戦略が本の戦略にもいかせる。

著者から立てる企画は、こういうところがおもしろい。その人のビジネスがユニークであれば、あるほど、本を出せる可能性が高い。ただマーケット自体は大きくないことが多いので、ビックヒットにはならないかもしれない。そもそも企画を通すのが大変なことも。けれど、その人にとってはストック本になることはまちがいない。こういう本作りはおもしろいと思う。

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