東京・田園調布の小さな出版社/出版プロデュース(有限会社ソーシャルキャピタル)

田園調布の小さな出版社をよりよく知るための10の質問

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Q1:出版の仕事をとりまく状況についてどう思いますか?

先日、今年の書籍と雑誌を合わせて今年の紙の出版物推定販売金額は、市場規模がピークだった1996年の52%に縮小する見通しであることが発表されています(https://jp.reuters.com/article/idJP2017122501001227)。右肩下がりの傾向は今後も続くでしょう。こういう時代こそ、人が文字を書く意味や記録する意味を考えるときなのだと思います。

Q2:編集者の職能は何だと思いますか?

多くの人に読まれる本を作るために、仕事を全うすることだと思います。ただ、出版物がマスにリーチしなくなってから、経営や予算によりシビアになってきたのが現実だと思います。自分は編集者の職能を「著者の伴走者として執筆プロセスを徹底的にサポートする人」と再定義しています。

Q3:独立したキッカケは何ですか?

大手出版社に在籍していましたが、あまりに書籍のノルマが増えたことと数字の管理が多くなったころ、自分のやりたいことは会社ではできないと思いました。個人商店的な仕事の編集者をまとめる、出版社の経営の難しさを感じます。辞めてからすぐに別の出版社から声がかかり、個人で仕事をするようになりました。

Q4:社名に込めた想いは何ですか?

イギリスの大学院(通信教育)でメディアコミュニケーションを勉強していたときに、コミュニティーの成立要件としてのSocial Capitalという言葉に出会い、感銘を受けました。出版社らしくない名前ですが、自分の転機になった言葉で、以後、書籍で人とのつながりを作ることを強く意識しています。

Q5:出版社の特徴は何ですか?

Q2でお伝えしましたが、執筆をサポートすることにあります。書き慣れない人にとっては、うまく原稿が書けるかどうかは大きな関心事です。他社の編集者が絶対にそこまでかかわれれない領域に踏み込んで、書くべき内容を厳選しています。

Q6:出版社の経営についてどう考えていますか?

出版や編集の仕事やそれを全うするために必要な自分自身のインプットに時間を割いているので、経営をマジメに勉強したことがないので、語る資格はありません。ただ、目の前の仕事に全力投球のみだと思っています。

Q7:どんなインプットをしていますか?

出版についての歴史を学ぶことに時間とお金を使っています。歴史を知ると今抱えている諸問題は、すでに語られていると思うこともあり、ヒントが得られます。あとは、著者の専門分野の概要をつかむための書籍を読んでいます。自分の興味が拡がって楽しいです。いわゆるビジネス書のベストセラーにはあまり興味がありません。

Q8:仕事するときに大事にしていることは何ですか?

その人らしさは自然体から生まれると思っているので、等身大で本を作ることを大事にしています。そのためにはありきたりの言葉に満足しないことやわからないことはわからないと素直に言うこと。自分の疑問をなくすことが読者にストレスのない文章を提供できると思っています。そこを徹底的に追求する伴走者でありたいです。

Q9:出版の問題点と課題は何ですか?

編集者も著者も、売れるかどうかだけをゴールとすると、書くべき内容が薄くなることです。価値観を共有したチーム(著者と編集者)が楽しみながら本作りができる環境が作ることが必要です。そのために出版社や編集者の役割は大きく重大と思っています。

Q10:出版社の今後の展望と課題は何ですか?

「書籍で特定少数から特定多数のファンを」というコンセプトのもと、マス向けの書籍とニッチ向け書籍の区別をはっきりすることだと思います。既存の方法だけでなく、どこで書籍を知ってもらうか、どこで買ってもらうかを考えていきたいと思っています。

(2017-12-28)

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