昨日Facebookに流れてきた投稿。『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』の著者山口揚平氏からのものだった。いろいろ考えさせる内容だった。投稿は以下の通り(原文ママ)。

(友人へお願い)
さて、先日出版した拙者「1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法」ですが、タイトルの軽さから、読んで本当に役に立つ人、読むべき層に届いていないです。本書の趣旨は、楽をして暮らすことではなく、考える、ということを真摯に考え抜き、その本質を捉えて、日常生活の質を上げ、仕事の生産性を高め、きたるAI時代に対して人間として最後に残された最強の武器、つまり思考を活かすことにあります。多くの人はその人に必要なものを買うのでなく、世の中で売れているものを買います。それが人間の社会的生物たる所以だからです。そこでどうか社会的影響力のある皆さまのお力を借りたく、本書のSNSでのシェアやレビューをお願い致しますm(_ _)m わがままなお願いで誠に恐縮ながらご協力お願いする次第です

タイトルが出版社が決めるというものであることは多くの人たちが知っていることと思うけれど、著者の意見がどれだけ反映されるかということはあまり知られていないように思う。もちろんケースバイケースだけど、個人的には著者の意見が反映されることはほとんどない。

著者の意向と出版社の意向が一致する場合ももちろんあり、それは問題にはならないけれど、意見が異なった場合に前者が優先されることはないという意味だ。すべては「売れるものをつくるために」という合言葉のもと、出版社が決定するものだ。考えようによっては、出版社が制作費を出して、編集力を提供して、印税を払ってつくるものだから、出版社の専権事項なのは当たり前でしょ、という考えもある。

ただ、コンテンツは著者のものだ。コンテンツを生み出したのは著者だ。その意図とタイトルがはなはだしく異なる場合はわだかまりが残る。真意を言いたくなる。山口氏の例だ。僕はこのタイトルを見て完全に勘違いしていた。失礼ながら、よくあるお手軽・能天気なノウハウ本だと思っていたが、どうやら違うらしい。手にとってみようかなと思った。

ほかにも11万部売れている本の著者も「タイトルが言いたいことと違う」と言っていたし、僕の友人が書いた本も中身をしっているだけに「えー、そんなタイトルになったのか」とビックリしたケースもある。こういう例はあからさまに表にでないけれど、潜在的にはいろんな事例がありそうだ。

手に取りやすいタイトルにしたから、その数字が達成できたのかもしれないけれど、著者はその本とともに、一生を過ごすことになる。それはそれでとても重要なことだ。あまり違和感があるものにするのはどうなのか。出版社は人のふんどしで商売をさせてもらっていることを忘れてはいけないと思う。

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