書籍編集のマニュアル化に着手しました。書籍は1点1点内容が違うので、網羅して、抽象化して、体系化して、明文化するのはかなり難しい作業です。

そもそも出版の世界は、個人の暗黙知が編集者の力量を決めるという風潮があり、書籍編集マニュアルなどというものはありません(「あるはずがない」と教わります)。担当編集者の「アイディアと創意工夫」で対応することが求められます。

したがって新人編集者は、先輩の見よう見まねで時間とともに「それなりの編集者」になっていくのです。しかし一人前になるまでにどれだけ著者や関係会社に迷惑をかけたを考えると恐ろしいものがあります(自分もそうでした)。そしてどれだけの時間を無駄にしているのでしょう。

もちろんだれにも迷惑をかけずに一人前になることはないし、一人前の編集者になっても迷惑をかけてしまうこともあるけれど、基本を学んでおけば、防げる(た)迷惑やミスも相当あるのではないかと思うのです。

同じようなミスを複数の編集者でしていることもあります。それもこれも個人商店的に仕事をしているからです。さらに他人に迷惑をかけるということは、最終的には自分(自社)のところにその迷惑の影響は戻ってきます。ミスや事故を起こせば、その対応と評判のだけで大変な損害です。

そう考えれば「担当編集者の創意工夫で」などとのんきなことを言って、野放しにしていられないはずです。(特に学習の基礎段階、初期段階の)マニュアルやテンプレートやチェックリストは必要なのです。

弊社でゃマニュアル化を始めて、無駄や効率化の可能性が見え始めました。まだまだ時間かかりそうですが、そのチェックリストは、使う側だけでなく作る側にも大きなメリットがありそうです。

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