先日ある本を読んでいたら、「錯信帯(さくしんたい)」という言葉がでてきました。その本の著者はこの語の意味を次のようにまとめていました。

▼やりたいことに対し、思い込みや、先入観が邪魔をし、実際はできることを行動に移さず、戸惑い、悩む心のくせ

▼もの、こと、人に対して一貫性がなく、自らの否定的な態度に自分自身が振り回される習慣がしみついた態度

興味深かったのは、この言葉がerroneous zonesの訳語として紹介されていたことでした(あの渡部昇一氏がこう訳しているらしいです)。erroneous zones(エラニアス・ゾーン)とは、エラーをするゾーン、ミスをするゾーンということです。当然ですが、このゾーンが広くなればミスを犯す危険性が高くなり、短ければミスをする確率は低くなります。

そして錯信帯は(帯なので)「短い」「長い」で形容されています。特徴はというと…。

▼錯信帯の長い人

・失敗を恐れるために、いつも躊躇して行動の時間を先延ばしにする

・過去の出来事を後悔し、嘆いてばかりいる

・他人にばかり頼って、自立しようとしない。その結果として他人の意見に振り回されてばかりいる

・時間を浪費するばかりで、「時」を大切にしない

・まだ起こってもいない未来に対して、ああでもないこうでもないと思いをめぐらし、決断できることも決めようとしない

・責任を取ることを怖がって、とにかく逃げることを考えている

 

▼錯信帯の短い人

・過去に起きたことに対して、こだわったり後悔したりしない

・いまという「時」を大切にし、素早い意思決定をして行動に移す

・未来に起こるであろうことを淡々と受け入れ、それらを適切に処理する

・成功するためには、失敗など怖がらない

・逃げることなく、いつも責任を負う覚悟を持っている

・リーダーとしての資質を備えている

つまりだらだらと迷ってばかりの人のところには、エラーがつきまとい、エラーの帯が長くなるというのです。やはり即「Yes!」と言い続けることが肝要なのですね。 そして国や組織にもこの2つの特徴で考えると、新たなことがみえてきそうです。

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