出版業界には、出版社だけでなく、多くのフリーランスと編集プロダクションが関わっています。そういった人たち(会社)は、出版社から依頼を受けて、編集やDTPの制作を請け負うことが一般的です。
フリーランスと編集プロダクションのメリット・デメリット
この業務に、フリーランスと編集プロダクション(=編プロ)がかかわるのですが、それぞれのメリットとデメリットがあります。それを考えてみたいと思います。
【フリーランス】
・メリット:小資本で独立できる、自宅でできる、自分で決定できる
・デメリット:他の人との接触が少なくなる、家にこもりがち、刺激が少なくなる、新たなスキルを得る機会が減る、仕事が重なると寝る時間がなくなる
【編集プロダクション】
・メリット:社員に仕事を任せることができる、大きなプロジェクトにも対応できる、法人にすると対外的な信用を得られる(かもしれない)
・デメリット:人件費・事務所費用など固定費がかかる、仕事を探し続けなくてはならない、社員採用・管理などに時間的・金銭的なコストがかかる、経理面や税務面で法人にすることによる経費がかかる
私が選んだ働き方「半・編プロ/半フリーランス」
私は独立したあと、それぞれのメリットとデメリットを考えながら、自分に合った働きを模索しました。結果、今は形態は法人にしつつも、固定費は極力減らすなどフリーランス的なフットワークの軽さを保ち、編集面は「フリーランス人たちをチームにして、プロジェクトにあたる」ことを基本的な仕事の体制にしています。チーム化することによっていろいろな仕事ができて、いろいろな人たちも出会えると思ったからです。
さらに自分が大学の講義で時間と場所を拘束されることもあり、そのことで仕事の進行に影響があってはいけないという思いもありました。でも寝る時間をけずることは極力さけなければなりません。そんな思いの末に、たどり着いた形態です。「半・編プロ/半・フリーランス」と言えるかもしれません。
この本のマネですが。
「チームで編集」は可能なのか
こんな質問をよく受けます。答えは「Yes」です。通常、メインとサブの担当者をつけますが、これだけITツールが発達して、場所に縛られない働き方が注目されるなか、編集の仕事もできないはずはありません。もちろん最終形は紙の書籍ですが、だからと言って社員を抱え、事務所に集まらないと仕事はできないということはありません。
もっと言えば、物理的な事務所に人が集まったとしても、プロジェクトに当たる担当者は通常ひとりです。その人に不測の事態が起これば、仕事に影響が出ます。となりの人が変わってくれるとはあまり思えません。書籍の編集は、ほとんど個人商店的に仕事をしているからです。
であれば、最初から、どちらの担当者が仕事をしてもいいように、メインとサブの間で情報共有しておけばいいはずです。もちろん共有すること費やす時間(=デメリット)とチームでやることによる安心感や品質向上(=メリット)とのバランスを常に考えなくてはいけません。ここは経験・試行錯誤が大事かなと思っています。
ひとり編プロの働き方
フリーランスの人たちとのコミュニケーションや責任の分担、業務分担などで難しさも感じていて、もちろんこの体制がベストとは言えませんが、今のところそこそこ安定してきたなかと思います。これからは、もっともっとこういうコンセプトに共感してくださる方と一緒に仕事をしたいと思っています。ひとり社長は、他の会社がやっていることと同じことをしていると時間も仕事もあっという間に削られます。目の前の仕事に追われないで、独自の働き方を模索することが大事だと思っています。そのためにも「チーム化」が必須なのです。
==【昨日の活動】==================
・原稿校正。とっても納期が短い仕事だが、予定されていたことなので、ほかの仕事をほかの人にお願いできた。
・母の日お祝い。義母を自宅に呼んで歓談・会食。