先週末、ランニング登山講習会@万座温泉を開催した。その名の通り、書籍『ランニング登山』の読者と一緒に下嶋式ランニングを楽しもうという企画だった。これは「印税分は山の安全の講習会に」という下嶋溪氏のご家族の方のご厚意で実現したものだ。超多忙な松本大さんの都合を調整してもらって、この日に開催できた。発行月に開催できたこともなんかホッとした。

25日。万座温泉日進舘に現地集合。新宿からの直行バスがでているので、アクセスはいい(ただそれを逃すと結構たいへん…)。うちらはクルマで向かう。渋滞も考えて、朝7時にでたら12時すぎに到着。直行バスはやはり渋滞で遅れた。3時半ぐらいに集合して、小串鉱山というところへ向かう。初めて聞くところだったけれど、ネットで調べると、国内屈指の硫黄生産量を誇る鉱山だったが、1971年に閉山になっているらしい。最盛期には2000人もの人が住んでいたらしい。現地につくと、ものすごい雨で、しばらくバスから出られず。自己紹介などしていると、やがて晴れてきた。ありがたい。ここで外にでて、大さん先頭で小串鉱山まで下りていく。鉱山にのぼるイメージだったけれど逆だった…。

下には1937年の大規模な地すべりで240名が亡くなったときの慰霊碑とお地蔵堂があった。今となっては2000人もの人が住んでいたことを想像するのはむずかしい。ところどころ、瓦礫や鉄くずなどがみられる。帰りは、3人ずつのグループに分かれて、時計を見ないで40分でスタート地点に戻ってくるというもの。早くてもだめ、遅くてもだめ。体内感覚をどこまで頼りにできるかという課題だった。こんなことやったことないよ、と思いながら、なんとなく身体の時計をスタートさせた。途中、ちょっと遅れそうと思ったけれど、林道が思ったより長く、うちらのチームは5分オーバーだった。時計は必携品だと思うけれど、もし壊れたときのことを思うと、自分の身体を頼りにするしかない。何分走ったからどれぐらい進んでいるなどの感覚を持つことは大事だと思った。

夕食後は、ちょっと飲みつつ、出版の経緯を話したり、大さんから改めてこの本の意味を伝えもらったり、大さんが出ていた富士登山駅伝のDVDやキリアンのDVDをみて過ごした。いろんなランニング登山の形があると思ったし、ででも根っこは一緒だとも思った。大会だけ出ていたらこんな世界は知ることはなかった。

26日は、9時前から無補給ランニングスタート。3時間の予定。最後までいけば片道10キロ。コースは決められているけれど、時間になったら折り返すルール。完走することが目標ではなく、時間内は無補給でいくことが目標。ただし、自分の身体を相談しながら、無理と思えば、補給も水分をとってもよいルール。折返しまで行けた人は大さんtスイーパーのほか参加者はひとりだけ。この時間設定は走力とロストしない力も必要。時間を結構厳しめに区切るのが松本大流だと思う。これが安全を確保する。皆、三々五々戻ってきて、とりあえずホッとした。終わったあとは冷たい飲み物で喉を潤す。自分は走らなかったけれど、見ているだけで気分がいい。そこで写真をとり、解散。慣れないことばかりだったけれど、参加者の方々の暖かい気持ちでなんとか終えることができた。「来年もやりたい」との声も。この尖った本を中心をしたコミュニティは荒れない。いいつながりが作れたと思う。

新宿までのバスは午後3時発。それまで風呂に入ったり、ランチ食べたり。バスを見送って、宿の人たちに挨拶をして、自分のクルマも出発。関越渋滞して、帰宅したのは午後9時ぐらいだったか。本を作ってこんな講習会ができるのはホントに楽しいなと思った。これも松本大さん、長谷川香奈子さん、大さんのお父様、日新館の方々、参加してくださった方々のおかげ。とってもよい経験をありがとうございました。

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