日本図解協会のお手伝いをさせていただいている。

代表理事の多部田さんは「コミュニケーションを図解し、図解でご縁をつくる」をモットーに活動している。最初はそれってどういうコト?とおもっていたけれど、近くで活動を見させていただくとわかってくることが多い。今は図会議ファシリテーションマスタークラスが進行しているので、その内容を少し紹介しながら、日本図解協会の図解をお伝えできればと思う。

図会議ファシリテーションとは図解を使った会議ファシリテーションのこと。まず徹底的に相手のことを深掘りするところから始まる。自己紹介、参加動機、今までやってきたことをファシリテーターの質問を受けながら振り返る。自分にとって当たり前のことだけど、ほかの人には新鮮だ。なぜそれをしたのですか?そのときどう思ったのですか?それができるとどう思いますか?などなど聞いていくと、話の抽象度はどんどん上がっていき、シンプルな自分の価値観が見出される。このプロセスを8つの図解フレームワークで明らかにする。自分の本当の価値観が、玉ねぎの皮がはがされていくように、見えてくる気がする。

深い動機がなく始めたことも、良しと思ってやったことも含め、自分がやってきたことは実は同じ価値観によるものと感じられば、自分の中に一貫性を感じる。このことが自分の在り方の発見に大いに役立つのだ。僕はそのことを部分最適を全体最適の中に位置づける作業だと思っている(※これは要説明だけど、またの機会にする)。

自分のシンプルな価値観が見出されるのは質問を受けた側のメリットだ。けれど講座の目的は相手から本当の理由や動機を聞き出して、参加者全員に納得してもらい共有できるようになる。これを図解で示すところに皆に伝わる秘密がある。抽象と具体、自分と相手の軸を常に持ち出して、ファシリテーションを進める。こういうやりとりを、会議の場に応用することができれば、多数決で決める必要はないし、皆が納得してくれる、というのが多部田氏の意見だ。上意下達の文化がある組織にはなじまないけれど、そういう文化は撲滅したほうがいい。

講座ではほかに、在り方を問うところからイベントや講座のやり方の伝授まで、盛りだくさん。週末の2日間で12時間+懇親会の時間を使う。終われば皆が心地よい疲労感を感じる。ふだんの会話ではこういうところまで掘り下げないからこそ、こういう講座の価値があるのだ。参加者同士はまさにご縁がつながる。あんなこともこんなことも知ってしまった仲間たちは安心できる関係が築ける。

ここで紹介している内容はほんの一端。こういう講座は何が得られるかは自分で決めるものだ。そこから得られるものは本人しだいだからこそこの手法のパワーを感じるのだ。答えを外に求め続けると、その旅は永遠に終わらない。手段はどうあれ自分の内面への探求が人生の満足度を高める唯一の方法だと思う。

図解は自分の思考の整理やまとめに役立つものと思っていた。もちろんそういう図解の使い方もあるし、そういう本もたくさん出ている。今抱えている問題も図解で解決したいとも。その願いは直ちには達成されない。コミュニケーションを図解で見える化するスキルと、人とのご縁を大事にすれば応援団ができて、問題解決に向かって動いてくれる。多部田氏はそう信じている。そのために自分でやれることはしっかりやるのが前提だ。「共創出版プロジェクト」もこの一環だ。

自分の勝手な意志でなんでも自分でやろうとして、大したことが実現できなかった自分は学ぶところが多い。昨年実施していた書籍のクラウドファンディングでたまたま知り合ったのだけど、こういうご縁を大事すると、図解の凄さが見えてくるのだ。

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