図表やグラフが多い書籍のページを組む場合、本文と対応した場所にそれらが配置できるかで頭を悩ませます。原稿の増減によって、レイアウトをすべてやりなおしということも少なくありません。自分がやっていることをまとめます。

とにもかくにも、図版に重要度をつけることが大事です。自分は3つにランクわけしています。

図版A…絶対に入れないと読者が理解できないもの

図版B…あったほうが読者の理解がスムーズになるもの(ただ、原稿に入れられなくてもギリギリ許容できるもの)

図版C…読者の理解にはあってもなくてもいいもの(入れると混乱するものは当然省きます。どちらでもいいものがこのカテゴリーです)

さらにそれらの図版のおおよその分量を記しておきます。たとえば1ページもの、半ページもの、4〜5行ものなどです。あるいは必ず見開きでみせないといけないものはそれも図版に記しておきます。写真も同様のランクわけをします。

これらの情報をもとに原稿と図版を配置していきます。原稿の文字量から換算してラフのサムネールを手書きで書いておけばよりイメージできます。Bはそのサムネールを見ながら入れるかどうかを検討しますし、その旨をDTPオペレータに伝えておけば、掲載するかどうかを適宜判断してもらえます。たぶん。

それでもヘンな余白が生じる場合は、Cで埋めることを考えます。イメージカットもここに入ります。カバーでイラストを使っている場合は本文でもページ調整に使えます。

1冊分(200ページぐらい?)のサムネールを書くのは大変ですが、ゲラになってからページ調整に費やす作業は圧倒的に減ります。Aランクだけのもので考えると、本文との対応がうまくいかず、ページを組んでからのレイアウト変更が多くなります。

ココでもっとも大事なのはレイアウトを考える前に文字原稿を確定させておくことです。原稿を足し、それに伴い図版を足したら、大修正になります。大修正でもやるべきことはやる必要がありますが、できればさけたい事態です。原稿整理のあとで、サムネールを書きます。

ページの増減は章ごとや部ごとに、2ページ単位で考えれば、右ページ・左ページが変わらなくてすみます。修正したあとでないと、どういうレイアウトになるかわからないと、次の校正でも同じことになりかねません。本文中に参照ページが入っている場合は、確定ノンブルを入れる段階も、索引を作る段階も遅くなります。

また編集者がレイアウト調整や余白を消すことに気を取られていると、本文の「読み」があまくなることも十分考えられます。レイアウトが複雑になればなるほど、文字以外の要素に費やす時間が増えます。限られた時間なので要注意です。

さらに大事なのは、レイアウト上あまったスペースを埋めるために著者に追加原稿を依頼しなくてすむということです。以前、レイアウトのために加筆をお願いしたら、思い切り断られたことがあります。書き手からすれば当然のことですね。

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