2月刊が最終段階。再校ゲラを確認中。著者には「最後の確認なので、気持ちを落ち着けて、この本を読む人はどこで、どういう気持ちで読むのだろうか、とか、そもそもなぜこの本を手に取ったのかなどを想像しながら読んでほしい、できればお気に入りのカフェとかホテルのラウンジで」とお願いした。

この著者と出会ったのは2015年8月のことだったと思う。当時やっていた自分のセミナーに来ていただいた。すでに著書がある方だったのだけど、もう1冊書きたいということで、自分のところで、企画づくりが始まった。それから長い道のりがあり、ようやくここまでこれた。いろんなことがあったし、いろんなことを学んだ。なによりお互いがお互いのことをよく知ったことが貴重な経験。その著者がビジネスで次に挑戦する課題も見えてくる。自分より年上の著者からすればこちらの課題も見えている。ゲラを読んでいるとそんなことも思い出してくる。時間をかけながら、そんなことを話ながら本作りができることが楽しい。

トレイルランの大会にでていると、ゴール直前にいるスタッフに「あとちょっと!もう終わっちゃいますよ!」と声をかけられることがある。こちらとしては、一刻も早くゴールして、足を動かすのをやめたいと思って走っているけれど、この言葉を聞くと「あ〜それってちょっと残念かも」と思えてくる。今のゲラ読みはそんな感じと似ている気がする。早く出したいけれど、これを手放すのもちょっとな〜、という感じ。締め切りまではその感覚にひたろうと思う。仕事に追われていると一刻も早く終わらせたくなるので、そんな気持ちで終われるのはいいことだと思う。

著者がどんなにがんばっても編集者が忙しいといい本が作れない。かつて会社員時代に1年間に30冊ぐらい作ったときがあった。めちゃくちゃ優秀な派遣スタッフとふたりでやったけれどふたりとも絶望的に忙しい生活。人はたくさん仕事をやればやるひと、無機的になっていくのだと思った。そうしないとこの仕事量は終わらない(そのスタッフは自分が会社をやめてから3ヶ月後その会社をやめた。なんか申し訳ないことをしたと今でも思っている)。そして自分がやりたいことがなくなる気もした。実はこれこそが怖いことで、「なんでもやれる」と思って独立しても会社にいたときと同じことしか考えられなくなる。今考えると会社をやめてから2年ぐらいはそんな感じだった。

これからは質の仕事だ。昨日、馴染みのお店で偶然知り合った人にもなぜかそんなことを言われたのも何か理由がある。

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