出版業界はずっと右肩下がりで、あまり景気のいい話は聞かないのだけど、「今ほど出版が面白いときはない」という人たちがいる。
彼らに共通するのは、書籍の出版だけをビジネスとするのではなく、本✕イベントとか出版✕カフェ、本屋✕カフェなどと組み合わせていることだ。本✕地方をキーワードにしている人もいる。出版単体で考えるとビジネスとして厳しいけれど、何かとかけ合わせると、視野が急に明るくなるような気がする。
そして最近思うことは、出版は東京の文化だから自ずと本作りの視点も東京中心となる。人は見聞きしたことだけしか理解できないわけで、見聞きした量が少なければ少ないほど、理解できる範囲が狭まるのは事実だ。それを自分も含めて、本作りをする人がどれだけ実感するかにかかっているのだと思う。もっと多様性があるべきとも思う。多様な出版物があれば、取材された人たちも自分たちがやっていることを客観的に見直すいい機会になるはずだ。
クライアントがよく言うのは、「本が出来たから、人まえで話すコンテンツが明確になった」ということ。こういう小さな自信(かつ普遍的なスキルの習得)が、本以外のビジネスを作るきっかけになると思っている。抽象的だけど、最近考えている一番のこと。