「こんなに儲かっていいのか」というぐらいの経験をしてほしいですよね、とこの間お会いした会社経営者が話をしていました。その意図はどういうことかというと…。

既存の商品を改良し続ければ常に新製品

その会社の商品は極めて少ないのです。大きくいうと2つしかありません。それなのに、毎年15%ぐらいの売上増を達成しているのです。商品展開を多くしないで、やり続けているのは2つの商品を進化させることだというのです。商品が少なくて心配ではないですか?と聞くと、既存の商品を今のニーズに応えられるように改良を続ければ、常に新製品と同じというのです。しかも既存のお客様に案内できるので、営業コストやほとんどかからないといいます。

新規商品で新規顧客を獲得するのは…

その人によると、こういうことに目を向けないで、商品を一度作ると、その商品は放っておいて、次の商品を作りたがるのが不思議らしいです。新規はとにかく開発コストはかかるので、既存のお客様に改良版を案内しつつ、口コミや紹介で新規顧客を増やすのが常套で、新規商品で新規顧客を獲得するのがいちばん困難だ、とのこと。といいつつも、これをやっている会社は多いですよ、と言っていました。少ない商品を改良しつづけると「こんな少ない商品で、営業コストをかけず、たいした開発コストもかけず、こんなに儲かっていいのか」と感覚になるらしいです。まさに言うのは易し…ですが、基本の考え方はこういうものなのかと勉強になりました。

2冊めの本は1冊めの読者にむける

考えてみると、本も一緒で、1冊めの本が売れたら、別のテーマでほかの読者を獲得にかかるのではなくて、新たなテーマを1冊めの読者にむけて書いた方が、よいのだと思います。1冊めの読者が疑問に思っていることは何か、さらに知りたいことは何かをつかんで、2冊めを書くということです。3冊めを書くときは1冊め、2冊めの読者にむけてということになるでしょう。こうやって濃い読者を作るのが理想だと思っています。

最後に

ただこういうことは著者側が気にしておかないと、出版社の提案はそういうことを考えてなされていることは少ないです。結果的にとか無意識的に、既存読者にアピールする本になっているかもしれませんが。既存の顧客や読者に対してさらなるニーズの意識を高めるべきと思いました。
==【昨日の活動・所感】==================
・終日事務所で仕事。落ち着ける日だと、同時にいろいろなことをやりたくなるのがよくない。2時間分の仕事が消化できず。往復ランニング。

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