自分史的な内容で出版できないか、という相談を受けました。商業出版で出すことはほぼ無理だと思っています。

その人の歴史を知りたいと思うのは?

そもそも人が興味を持つのは、その人の歴史ではなく、その人が今やっていること、もっていることに興味があるからです。ある分野でだれにも負けない知識があるとか、だれもしたことがないことで世の中の役に立っているとか、スポーツでだれも成し得なかったことを達成しているとか、その人の専門性や実績や才能に興味がわきます。単純にいうと、「へ~すごい人がいるものだ」という感じでその人のことを見るわけです。「それはだれなのか?」はその時点では関係ありません。

この人いったい何者?

その実績なり、才能なりに深く興味を持った人が、「この人いったい何者なの?」という興味を起こさせるわけです。実績があっての興味です。「こんなにスゴイ人(変わった人、へんな人)ってどんな人なのだろうか?」という気持ちがその人の歴史に興味を持ちはじめるのです。そう考えると、自伝的なものをいきなり出せる人は、すでに相当有名な人に限られるわけです。多くの人がその人のことを知っているけれど、本がでていなければ、読まれる可能性大です。

ファン化のプロセスを考えると

ある人がある人のファンになるためのプロセスを考えると、最初は、その人のやっていること・もっていることに猛烈にインパクトがないと興味がわかないのです。そこを考えずに、自分の歴史を書き始めても、読んでくれる人は身内と知人しかいないことになります。それでもよいというケースはもちろんありますが、その場合は、自費出版ということになります。ただ自分の戦略としては、最初の本は実績で尖って、やがてはその人の歴史も織り込めるのが理想だと思います。

最後に

自分はその人の生きざまを書籍にしたい!と思っていますが、それは歴史ということではなく、自分がそれまで培った専門性やこだわりを書籍にしましょう!という意味なわけです。自分がもっとも尖っている部分はなにか?、自分がもっとも時間をかけてきたことは何か?を考えることからスタートです。これをあえていい続けるのは、売れているテーマを書きたくなるのが人情だからです。ただそこからスタートするとうまくいかないです。書くべきテーマがいかに売れる企画にするのかを考えることが仕事と思っています。
==【昨日の活動・所感】==================
・ここ数日、仕事のDVDを見ていて、これはユーザーにはありがたい商品だなと。この商品のニーズはあると思う。文字とは伝わり方は全然違し、見る時間も自由だし…そして執筆の材料にもなるし。会社経営者でも最近動画に力を入れている人が増えてきているのもうなづける。

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