この間、著作を出している知人と、優秀なフリーの編集者がいないのはなぜか、が話題になりました。前もこの話題になったのですが。その人の本を担当したフリーの編集者の力量が??だったらしく、その業界の様子を聞きたいようでした(とはいえ、自分もよく知らないのですが)。

フリーの編集者の未来とは?

自分の経験からすると、これはフリーの編集者にビジネスとして明るい未来がないからのひと言につきます(特に書籍編集の場合は)。フリーの編集者の仕事は、企画が与えられて、その制作をすることがほとんど。もちろん企画から立ち上げることもあるけれど、大半は、請負仕事になるわけです。3ヶ月後の売上予測は立たないし、仕事量もみえません。どんな企画なのか、どんなレイアウトなのか(どれぐらい複雑なのか)、索引はあるのか、図版はどれだけ入るのか、著者がどんな原稿を書いてくるのか、それによって、大きく仕事量は変わります。感覚的ですが2倍ぐらいの仕事量になることもあります(その点ライターのほうがよっぽど仕事の全体像が見えやすいです)。

出版社でやりがいを感じるのは当然

編集プロダクションはこういう仕事を一手に引き受けて、仕事をしているので、一般的に長時間労働、低賃金は常識になっています。しかもやりたいことを選んでいることは一切できません。出版社の編集者からみれば、あえてそんな不自由な世界に飛び込むより、版元で編集者として働いたほうがやりがいを感じるのは当然のことです(自分のように組織に合わない人種は別ですが)。企画立案からプロジェクトに入れば、自分の興味のあることを企画にするので、自分自身楽しみながら仕事ができるのです。全部が全部とはいいませんが…。

優秀なフリーランスには仕事がお願いできない!?

もちろん優秀なフリーの編集者はいるわけですが、優秀なフリーの人はどんな世界でも同じだと思いますが、仕事が殺到して、逆に仕事をお願いしにくいわけです。優秀な人は常に忙しく、条件交渉もできるし、期間の交渉もできる。他方、そうでない場合は、いつでもOK、どんなジャンルでもOKといいつつ、あまり仕事がありません。ものすごくできる人とそうでない人との差が激しいのです。フリーとして動くには、編集能力だけでなく、コミュニケーション力、人脈なども問われてきます。

最後に

今、著者のプロデュース的な仕事をしはじめると、やはり編集的な力を必要とする場面は結構あり、組織から離れて自由に動ける編集者の必要性を強く感じています。だれかと一緒にやりたいし、だれかに勉強してもらいながらやるのもアリかなと思っています。ただ、それこそ、本気で人を探さないとついてこないのは必至です。今後はフリーの編集者に対しても、明るい材料を見せられればと思っています。

==【昨日の活動・所感】==================
・午後長時間の打ち合わせ。いろいろ前に進む。気持ちも上がる(というか上げてもらう?)。夜、原稿読み。
・強い言葉を書けば強く伝わるものではない。今読んでいる原稿はだれもが読めるふつうの言葉だけど、言いたいことはずっしり重い。これはスゴイ。

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