売れている本を見て、「これだったら自分でも書ける」と思う人は少なくないかもしれません。だいぶ前のことですが、あるベストセラーになっている書籍を見て、あるコンサルタントが「先にやられた〜」と言っていたのを聞いたこともあります。

本は特許のないものづくり

たとえそう思ったとしても、時すでに遅しです。書籍は先に出されたら終わりです。そもそも本作りには、特許もなにもありません。著作権、出版権はあるのせよ、ひとたび発売されたら、内容はすべてオープンになります。メーカーに勤めている友人から、「特許がないものづくりは考えられない」と言われたことがあります。そういう見方もできるのですね。

書けるものを書こうとすると執筆の意欲は簡単に衰退する

ただ、ゼロからそのベストセラーを生み出すにはハンパではない熱意が必要です。時間も手間もめちゃくちゃかかります。「これだったら自分でも書ける」と思っている人にそこまでの力があるかどうか疑問です。自分は「自分しか書けないものを書くべき」と思っているのですが、そうしないと、執筆に対するエネルギーや熱意はあっという間になくなると思っているからです。細かいところへのこだわりも違います。編集者もまったく同じなのですが。

信じているから広めたくなる

件のベストセラー著者のセミナーに行ったことがありますが、本を熱心にすすめているのは、それを読むことで世の中がよくなると本気で信じているからなんだなということを本当に感じました。営業熱心な人だなとはまったく感じませんでした。書かれていることはシンプルなので、書けると思う人もいるのでしょう。

最後に

そう考えると、ベストセラーを見て、自分にも書けると思うのは危険です。本気で信じている人と自分にも書けると思っている人とでは、言葉の力が絶対的に違ってきます。「本気で信じられる」テーマを見つけるのは、至難の業だと思いますが、そこから始めないと、結局いいものが書けないと思っています。著者にとってのストックになる本を目指したいです。
==【昨日の活動・所感】==================
・知人と自由が丘でランチした後、新宿で打ち合わせ1件。新しい世界が垣間見られて、楽しかった。これから勉強してみる。
・ストレッチを続けていて、少しずつ改善しているが、まだまだ先が長そう。

Related Articles: