本を書くには、ユニークなテーマが求められます。ユニークであるテーマを探すにはどうすればよいのでしょうか。
ユニークな経験は最良のコンテンツ
スポーツ野球選手とか芸能人とか会社経営者の中には、今の地位に辿り着くまでのプロセス、そこから得た知識、教訓など本にするケースがよくあります。実績がユニークだと、彼らの苦労話や下積み時代などの話を知りたくなるのです。(こういうケースではブックライターが取材し、コンテンツホルダーに変わって原稿を書くことはあります)。ひとりひとりの人生みなユニークですが、だれも成し得なかった実績やだれもできない経験がなければ、興味を示してくれません。当たり前のことです。桑田真澄さんの本を読みたいと思う人は多いですが、実績でないまま3年で自由契約のような人に興味をもってくれるのは、親戚や友人など身近な人ぐらいでしょう。
ユニークなことをしていればネタは集まる
本を書こうと思う人は自分がどの分野だとユニークになれるかを考える必要があります。自分がやっていることがすでにユニークであるという自覚があれば、書くべき内容はわりと早く決まります。なぜそれをやっているのか、自分なりの意義や社会的貢献などの観点から深堀りをします。たとえば、起業家やスモールビジネスオーナーなどユニークなことをやらないと生き残れない環境に身をおいている人は結構ネタがあります。そのユニークなことで実績がでていれば、アイディア出しは早いです。
目の前の人には価値提供できるけれど本には向かない人
他方、知識で勝負している人は、さほどユニークでなくも仕事できるケースがあります。たとえば、TOEIC教師はとってもユニークでなくても生徒に成果は出せます。むしろ地味なことをひたすらやらせることで結果がでたりもします。指導方法はユニークではないけれど(というかむしろ王道だけど)、目の前の人には結果を出せる例です。それはそれで仕事として大事なことです。ただ、こういうケースは、教材執筆は除いて、自分の経験や実績を本のネタにするのは難しいかもしれません。
自分がユニークなのは?
本を書くときには、とにかく自分がどこがユニークなのかを考える必要があります。大きく言うと、経験でしょうか。知識でしょうか。それとも経験から得た知識でしょうか。そしてそのユニークなポイントはどんな読者が欲しているものなのでしょうか。ひたすらそういう問いかけをします。それを発見するためにやるべきことは自分がやってきたことをたくさん書いてみることだし、同じジャンルの本を研究し尽くすことだと思います。書くことと読むことで、自分が書くべき内容を発見するのです。
最後に
スティーヴン・キングは『書くことについて』(小学館)の中で、「作家になりたいのなら、絶対にしなければならないことがふたつある。たくさん読み、たくさん書くことだ。私の知るかぎり、そのかわりになるものはないし、近道はない」と言っています。あまりにもシンプル過ぎるメッセージですが、それを前提とするといろいろやり方が見えてくるのだと思います。ちなみに、この本は著者の体験が綴られています。ベストセラー作家になったから興味を持つ人も多かったのでしょう。