クライアントの参考図書として、今『プロフェショナル・アドバイザー』(東洋経済新報社)という本を読んでいます。士業やコンサルタントが信頼を獲得ための知識と方法やその意味を説いた本ですが、人間関係一般に有用です。

傾聴というアート

この本の中で「傾聴というアート」という章があります。傾聴というと、難しそうですが、英語はThe Art of Listeningです。この本によると、傾聴とは自分のことを話をするための「権利の獲得」に意味があると言っています。

傾聴は、こちらで意見をいってクライアントの問題に関与するための「権利の獲得」という意味で非常に重要である。いかなるアドバイザー・プロセスを開始するためにも、傾聴は効果的に行わなければならない。また効果的な聞き取りをしていると相手からも認識されなければならない。この権利なしに本題に入り込むことは通常傲慢とされる。

そして信頼されるアドバイザーは、クライアントの「聞いて欲しい」という願望は尊重され、共感されるべきことを理解して、自尊心が必ず守られるようにしているというのです。

自分の意見は後

話を聞いていると、つい自分の意見を言ってしまいがちです。自分の意見を言うときであれば、問題無いですが、相手の問題を突き止めるときに、口出しすると本当の問題が見えなくなります。威圧的な口調になったり、説教ぽくなったりしたら、話をしてくれません。

聞き上手になるために

聞き上手になるために以下の23項目をあげています。

1.明確にするための調査を十分に行う

2.言葉になっていない感情を読みとる

3.全体のストーリーを聞き取ろうとする

4.上手にまとめる

5.共感の念をもつ

6.ありふれたことではなく、何か違ったことを聴きとる

7.すべてを深刻に受け止める(「それは心配ないですよ」などとはいわない)

8.陰に隠れた前提条件を見出す

9.クライアントに心のもやもやを吐き出させる

10.「それをどのように感じますか」と尋ねる

11.(「他に何かお考えですか」と言った具合に)クライアントに話を続けさせる

12.彼らの理解に役立てるため、さらに詳細な質問を続ける

13.聞いている間は注意をそらさない。

14.まず相手の見解から聞きとることに集中する

15.相手の話を相手の話し方で話させる

16.少なくとも聞いているうちは相手の立場に立つ

17.相手に自分たちがどう役に立てるかを尋ねる

18.自分たちの考えをいう前に相手がどう思ったかを尋ねる

19.クライアントが話をしているときはその人を見る(じっと見るのではない)

20.クライアントがいっていることと、そのしぐさやポーズの一致点(一致していない点)を探す

21.クライアントが唯一重要な存在であって、時間はすべて彼らのためにあるかのごとく思わせる

22.うなずいたり微笑みを投げかけたりして励ます

23.自分たちの体の動き(動きまわったり、貧乏ゆすりをしたり、ペーパークリップをもてあそんだりしていないか)を意識し、チェックする

最後に

この本はちょっと難解(+日本語を読む限り、ちょっと表現がこなれていないところもあるような気も)ですが、信頼の獲得が必要と思っている人すべてに向けて書かれています。アドバイザーの語感は、日本語と英語では違いますが、知識を提供する人ぐらいの意味で考えると、多くの人に当てはまるはずです。まだ読みきれていませんが、地味だけどとってもいい本と感じています。

==【昨日の活動・所感】==================
・今の税理士にはお願いしないことを伝えた。大きい事務所だったので、自分には完全にオーバースペック。
・夜は大学教員の懇親会。初めて合う先生が多かったが、近所に住んでいて、共通の知人がいる先生もいてビックリ。大学関係はこれが最後の行事かな。

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