1月8日に、丸善とジュンク堂の2014年の出版社別売上ベスト300(金額ベース)が発表されました。両店舗とも上位のランキングはほとんど変わらず、おなじみの出版社が並んでいます。

8位より6位がよいのはなぜ?

こういうランクングを見ると、私たちは無意識的に上位に目が行き、8位より6位が、5位より4位がよく見えます。そしてもっと上を目指したくなります。こういうデータをもとに戦略を錬る会社が多いと思います。それ自体は悪いことではないのですが、こういう数字から何を学ぶべきか、こういう数字を見る時に気をつけることなどを、もっと考えたほうがいいような気がします。

売上ランキングはどう読めばよいか

ある特定の書店における金額ベースのランキングなので、版元からすれば、自社の昨対比がわかるので、営業面で大きな意味があります。ただ、このランキングからを出版戦略を考えるのは無理を感じます。というのは、ランキングは、他社の比較から導きだされるデータですが、そもそも他社の平均原価率とか、収入の商品別内訳とか増刷率とかはまったくわからないですし、もっと言えば、人件費は闇の中です。かろうじてわかるのは出版点数ぐらいです。要するにどれだけ経費をかけた商品がどれだけ売れたかを判断しないと意味がないわけです。売上高中心の思考に陥るとあくまでもランキング上位を狙いたくなりますが、それだけ見ても効果薄いです。

数字は大きい方がよいのか

偏差値もそうですが、私たちは数字によって無意識的に意味付けをされているのだと思います。偏差値60の学校より55の学校ほうがいいと主張するためには、多くの材料が必要です。通常は外部からはそういう材料は入手できないし、人それぞれ感じ方が違うので、まずは他者との比較から算出された数字に頼ってしまうのです。

ランキング上位企業社員のホンネ?

就活の人気企業ランキングなどもナンセンスきわまりないと思っています。業種を限定せずまとめて発表することに、なんの意味があるのか、誰のために役立っているのか、それを見た人はどのように使っているのか疑問です。実際その手のランキングに常に上位に入っている会社に勤めている友人に聞くと、「あのランキングが発表されると、異常にOB訪問とかの問い合わせが増えて困るんですよね」とかつて言っていたことを思い出します。

フリーランスで働くときに考えること

マーケティングコピーでよくありますが、「問い合わせが倍増」とか「ホームページのアクセスが3倍」の文言。本当にそうなるかも相当怪しいですが、現実になったところで、それは自分が本当に望むことなのかは自分自身考えるべきことです。特に、フリーランスで働くときには、まずは数字(多くの場合は「売上」に相当)は大きければよいといった発想を断ち切らないといけません(このことと「目標は高く持つ」ことは全く別です。これはむしろ考えるべきです)。価値あるものを提供しようと思えば思うほど、自分が持っている資源の有限さに気づきます。一緒に仕事をしてくれる人はいないのです。

最後に

数字は説得力があるし、ある種の客観性を持っているからこそ、その数字が導きだされたプロセスや意味を考えたいです。

 

==【昨日の活動・所感】==================
・加圧トレーニング。と言っても最近は強烈な筋トレはせず、柔軟性を高めることが中心。バランスボールが使えることに今さらながら気づく。
・年末から体調が今ひとつで、ほとんど走っていない。回復が遅いw1月25日レースなのに。

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