本を出した経験のある人と話すと編集者に対する不満を聞くことがあります。「初めて執筆なのに、アドバイスがなかった」とか「何の理由もなく急に急がされた」とか「執筆依頼があってから、脱稿予定までほとんどコミュニケーションがなかった」などなど。自分は当事者ではないので、そんな話をしてくれるのだと思いますが、自分が関わった人がどう思っているのか気になるところです。

編集者がおかれている環境とは

上記の感想は、著者が感じたことなので、編集者はそれを解消すべく動かないといけないと思うのですが、編集者の友人たちを見てていると、最近の編集者は本当に忙しそうだなと思います。売上が下がり、発行点数は増えるばかりなので、物理的にキツいだけでなく、精神的にもつらそうな人がいます。低迷脱出の策が経費節約しかない、とある編集者は言っていました。そんな中で本人たちもかつてできていた本づくりができなくなっていることにストレスを感じているようです。

コミュニケーション不足が質を低下させる

時間がなくなると、まずコミュニケーションがおろそかになります。発信する編集者は「理解してくれよ」と思い、受け手である著者は「編集者からの情報が足りない」と感じることは多いようです。かつてなら、対面で打ち合わせをしていたのに、時間がなくなり電話でのやりとりになり、それも余裕がなくなると、メールでやり取りするようになります。実は、メールこそ余裕がないなかでやりとりするうのかなり危険です。質に影響するのは確実です。

自覚しにくいからこそ考えること

こういうことって知らず知らずにそうなっているのです。その瞬間は、目の前のことに必死で、本人はあまり自覚はないかもしれません。目の前の嵐のような仕事が過ぎ去ってから、気づくのです。自分もかつては年間30点ぐらい担当していましたが、だんだんコミュニケーションが減り、自分自身の限界がくると、編集プロダクションにお願いし始め、その比率もだんだん増えていった経験があります。当時は自分のことで精一杯だったなと感じます。

まとめ

著者となる方やクライアントには、編集者の仕事ぶりや生活パターンを早く知ることが大事ですよ、と伝えています。単なる原稿のやりとりだけでなく、お互いのコトをよく知らないといいものはできません。双方が受け取りやすいメッセージを発信することは必要です。本づくりは本当に人の性格が反映されます。だからこそ、相手の性格を先に知っておくことが大事なのです。

==【昨日の活動・所感】==================
・社内のやりとりをそのままメールで転送してくるとか、社内の書類を何のメモもなく送ってくるのってどうなんだろうか。と思いつつも、自分がそういう関わりをしているからかもしれないと思い始める。

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