「読者目線で」とか「タイトルは大事」とか「装丁も重要」は当たり前のことで、本づくりをしている人でればだれもが言います。ただその落とし込みは人それぞれです。どれだけ真剣に考えていて、どれだけ落とし込めるかがその人の想いを表現力を左右します。

似たような本はどう作られる?

書籍は同じものはふたつとして存在しないので、別のものですが、読後感として、「似たような本」と思うことがあります。でも作る側は、ほかの書籍とは差別化できていると思って(というか、深く考えずに)、企画をし依頼をし制作をするわけですが、結果として大差ない印象を持たれることがあります。1部でもネットなどにある情報と重複している場合は、なおその印象が強くなります。

「読者のために」すべきこと

これらの感覚はそれぞれで編集者によっても感じ方は違うし、読む人によっても感想はことなります。なので、読者目線で、と言われても、分かったようなわからないような感覚になります。具体的にどうすればよいのか。読者のターゲットとして、具体的な人を一人イメージすることです。「○○さんに届ける本」ぐらいの具体性があっていいと思います。「○○さんだったらどう感じるか」を常に念頭に置くのです。タイトル決めも装丁決めも、キャッチコピーも、その人の心に刺さるようなものを考えます。もちろん本文の内容の表現もそうです。

一番価値を感じてもらえるのは誰か

マーケティングではよくある手法ですが、本づくりの場面では、一番読んでもらいたい人とか、この本の価値を一番感じてもらえそうな人をイメージして議論することは少ないように思います。「読者のため」と言って、反論する人はいないけれど、実際に読者のためになることを、具体的にどこまでしているかは疑問です。

「読者のためになる」こととは

「読者のため」とは、読者に寄り添うことではありません。著者がそこに向かってメッセージを送り込んで、読者に気づきを与えたり、知識を深めたり、変容のキッカケを作ることが読者のためなのです。「著者の強烈なメッセージが読者のニーズを掘り起こす」というは私の持論のひとつですが、自分が発信したいことを弱めて、なんとなく役に立ちそうとか、なんとなくよさそうだから、という理由でコンテンツを作るのはよくないと思っています。

まとめ

そう考えると、まずは著者がもつメッセージ性を何で、どれぐらいの強さがあり、だれに価値があり、どうやってそれを伝えられるかを考えることが先なのです(なんとなく売れそう本を作ろうとすると、その確認が必ず弱まります。それに売れそうな本は必ず競合が出てくるのです)。メッセージが弱いのに、みかけで差別化するのはナンセンスと思っています。

 

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==【昨日の活動・所感】==================

・12月14日(日)の青島太平洋マラソンのため、宮崎入り。初の宮崎。友人井ノ上さんの実家におじゃまさせていただく。

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