著者の方がよく言うのが、「原稿は書き終わってから、新たに書きたいことが思いつく」ということです。原稿を編集者に提出することを脱稿と呼びますが、脱稿後にいろいろ思いつくということがある、というのです。

「戻した」あとの アイディアが満足感を高める

それは著者だけでなく、編集する側もそう思うことがあります。入稿したあとに、あの指示(=赤字)を入れておけばよかったな、とか、初校戻しが終わった後に、○○の部分、ちょっと構成を変えたほうがよかったのではないか、とか、再校戻しのあとに、○○の部分のデザインをちょっと変えたようがよかったとか、ふと思い浮かぶことがあります。考えた末に思いつくのではなく、まったく別のことをしているときに、思いつくのです。そのアイディアは、でるだけ反映したほうが満足感が高まります。著者としても、反映したかったのに、時間的にできなかった、という想いがあるとは、満足度は下がります。編集者は、できるだけその想いに答えないといけないと思っています。もちろん限界はありますが…。

手放し感が新たなアイディアを生む

この現象を考えてみると、それまで自分が向き合っていたものを「手放したとき」に新しいことが入ってくるのではないか、とも思うのです。目の前のことに追われているケースは、そのことに没頭します。そこに集中することが大事です。ただ、ひと段落ついて、「終わり!」という意識が芽生えたときに、頭がリラックスし始め、アンテナを外部に張り出し始める、という感覚が自分にはあるのです。

脱稿してからからのひと仕事が質を上げる

きっと著者もそうではないかと思っています。まったくの想像ですが。執筆は長く厳しい一人旅です。脱稿したときの解放感は、ひとしおだと思います。その感覚が新たなアイディアを生み、追加とか修正とかの作業に追われることになるのです。原稿の推敲と言えば、それまでですが、心理的には大きな負担です。特に、初執筆の人はこの展開が予想できないので、余計執筆は厳しいと思う人も多いようです。

まとめ

仕事をするときには、この手放し感をあらかじめ、予定に入れておくことが大事かなと思います。「脱稿したと思っても、絶対手を入れる箇所があるぞ」と思っておけば、ラクです。その時間をとっておくことが質を上げるはずです。原稿を書いたまま推敲もせず編集者に原稿送ってくる人もいますが、原稿整理の時間も初校の赤字もすごい量になります。こういうあまりいい結果につながらないような気がします。

==【昨日の活動・所感】==================

・22日夜に父が緊急入院したので、その見舞い。ちょっとバタバタ。夕方、コワーキングでゲラ読み。

・マラソンのダメージは残るが、筋肉痛はそんなひどくない。走っているときは、もう限界と思い続けていたけれど、もしかしたら、もう少し頑張れたのではないか、という気もしてくる。

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