「覚悟ありますか?」と聞かれると、「ある」か「ない」かで答えるしかありません。その質問だど、どの程度覚悟があるのか、どの程度ないのか、は引き出せません。よく使われる質問かもしれませんが、あまり有効な質問ではないのかもしれません。

具体的な事象を盛り込み、言葉の陳腐化を回避する

ただ、ひとり社長が社員を雇うことを決めたと聞くと、ある種の「社長の覚悟」を感じます。事務所を借りることにした、なども同様の印象を与えます。覚悟という言葉は使っていなくても、そう感じるのです。状況や文脈から考えれば、ある種の決意を感じます。あるいは例えば「30日間熟成カレー」と聞けば、手間・時間かかっているイメージがあります。インスタントやレトルトとは真逆のものだとわかります。あえて「手間がかかっている」とか「こだわりの品」とかいう必要はありません。

なぜ「覚悟がある」と言えるのか

覚悟とか、極上の○○とか、こだわり逸品とか言われても、なぜかそう言えるのか、を伝えないないと、極めて普通の言葉になってしまいます。むしろ、あやしい、と思われてしまうことも少なくありません。だから、その商品やサービスに対する、思いやストーリが大事なのです。これはテクニック的なことのようにも思えるのですが、実はそうではありません。その本質は、自分がやっていることがそもそも「それを言うに値するか」を問い続けることだからです。

だれでも使える言葉だからこそ、注意すべきこと

とは言え、言葉なので、誰もが使えるし、受け取る印象もさまざまです。だからこそ、受け取る印象を自分が実際にやっていることを一致させるために、ストーリーで語ることがあるのです。さきの例で言えば、例外はあるにせよ、ひとり社長が社員を雇うのは勇気のいることだし、事務所だって大きな決断なはずです。30日カレーを煮込むことだって、面倒なはずです。でもそれを実行するところに、その人の哲学や想いやこだわりが秘められているのです。そこを伝えることが大事なのです。

言わずして自分の姿勢を伝える方法

その想いが伝えられないと、「覚悟」「決意」なども普通の言葉、だれにでも使える言葉になり下がってしまいます。そういう言葉よりもストーリで語ることが大事なのです。「言わずして自分の姿勢を伝える」とも言えるかもしれません。

まとめ

著者の文章を読んでいるとこういうことって気づきやすいのですが、自分の文章だとなかなか難しいです。自分の文章も他人にどれだけ伝わっているか、の視点で人に読んでもらうことの必要性を感じています。

==【昨日の活動・所感】==================
・午後コーワキングスペースで仕事。コンサル案件の資料まとめ。夜は、プロデュースした本の出版お祝いの会に出席。いろんな人に迷惑をかけてしまったけれど、なんとか出版できてホッとしている。著者をはじめ、携わっていただいた人たちに感謝。

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