本づくりにあたって、カバーデザインは売上を左右する大きな要素なので、会社の上層部をはじめ、多くの人に意見を聞き、みんなで決めるケースがあります。でもそういうことはうまくいかないと思っています。

ゲラを読みつつ、カバーをイメージする

編集者は、編集しながらその本のイメージや雰囲気を感じ取っています。原稿やゲラを読みながらイメージが膨らんできます。ブックデザイナー選びや実際の発注が、編集作業の後半にしかできないのは、そのイメージがなかなか固まらないからです。

イメージをデザイナーと共有・洗練

編集者は、ゲラを読みながら生まれてきたイメージをブックデザイナーに伝え、ブックデザイナーに表現してもらうわけです。具体的に表現してもらうことで、編集者とブックデザイナーのイメージの共有され、さらにそのイメージを洗練させようと、やりとりを繰り返します。

編集者のイメージを大事にする

そういうやり方を経てできたデザイン案なのであれば、編集者が自分で決めるべきです。もちろん自分では気づかない視点や意見をもらえるので、複数の人に見てもらうことは必要ですが、最終的には自分で決めるべきです。たまに「おえらいさん」がその決定に入ってくると、たいてはその人が言った案に決まります。そしてそのうち編集者は「その人のOKをもらえればよい」という発想に変わっていきます。そういう姿勢が編集者として危険だなと思うのです(そういう発想の人は、そもそもイメージをもたずに発注して、デザイナーにお任せの人が多いような気がします)。

まとめ

タイトルとカバーで本の売上が決まるとも言われるほど、この2つは重要なポイントです。そして正解はありません。違った意見を持つことは当然です。「読者の目線」とか言って、(書店で初めてみたことを想定して)いきなりカバー案の決定に加わる人いますが、読者の感覚も実に多様です。その人がどれだけその「目線」を捉えているかは、はげしく疑問です。そう考えると、全員一致するほうがまれだし、避けるべきことなのかもしれません。そうやって決めた案は、きわめて平凡なデザインになる可能性が高いです。「このデザイン、いいなぁ」とまず自分が思えるものを作りたいです。

==【昨日の活動・所感】==================

・あるプロジェクトのキックオフミーティング。全力で打ち込む!

・チームワークを乱す人は、自分のことしか言わない。

 

 

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