編集者の手帖

今、発売されている『暮らしの手帖』(2014年6−7月号)の「編集者の手帖」に編集長松浦弥太郎氏の言葉が綴られています。

みなさまのおかげで、『暮らしの手帖』は、新しい号を出すたびに少しずつ発行部数がのびています。…雑誌が売れなくなっているこの頃において、こんなにうれしくて、そして励みに思うことはありません。心からお礼を申し上げます。読者のみなさま、ほんとうにありがとうございます。…部数がのびれば、それだけお金をいただけます。そうしたら今まで以上に、人も費やせて、きっと、もっとお役に立てる『暮らしの手帖』を作れます。いただいた分、必ずみなさまにお返ししますことをお約束いたします。広告の無い『暮らしの手帖』のスポンサーは、読者のみなさまであることを、私たちは決して忘れません。

この「編集者の手帖」は1ページまるまる紙面をさいて、編集者の想いを伝えています。「編集後記」として小さな囲みで掲載されるのとは対照的です。雑誌なのに、広告をいれない…雑誌づくりのセオリーから考えればまったく考えれない編集方針ですが、読者に役に立つモノを作れば、成立することを示しています。それが可能なのは、上に記したような読者への感謝をもっている(もちつづけている)からこそ、なのだと思います。こういうシンプルなことほど忘れがちですよね。

売れない時代だからこそ

出版不況だから…とか、若い人は本を読まないから…、ネットの時代だから…などと言って、売れないことを当たり前とする考え方が、出版に携わる人の奥底にはあるような気がします(もちろん自分もですが…)。その言い分はどれも正しいと思います。でもこういう時代だからこそ今一度自分たちが提供しているものの質を反省すべきなのではないかと思っています。「業界は下降傾向だけど、自分が作っているものは別」という意気込みがないと、大きな(下降の)流れに飲み込まれます。

私は、この「編集者の手帖」を読んで、(もともとこの志向はないですが)小手先のテクニックで一時的な売上を目指すのではなく、自分が提供しているモノやコトの本質を再度確認し、本づくりに反映しないといけないと、と思いました。こういう人が出版の世界にいることを嬉しく思うのですが、現実はそんな甘いものではなく、こういう思いがないと生き残れない時代なのでしょう。

まとめ

この「編集者の手帖」にはこのほかいろいろなメッセージが込められています。ネットには公開されていないので、実物を手に取るしかないのですが、自分の仕事の本質の再確認や、その商品を買ってくださった方の感謝の気持ちなどは、職種・業種を問わず参考になるはずです。ぜひ読んでほしいなと思っています。

==【昨日の活動】==================

・早朝、草野球。大田区の大会に出場していて、昨日が2回戦目。8時からのスタートだったが、気温が急激にあがり、かなりばてた。結果は予想通り(?)大敗。

・午後はSkypeミーティング。夕方、別件の仕事を少し進める。

・ある件で、会社の決まり事や理屈しか言わない営業マンと対応中。松浦さんの言葉は心に響く。人の振り見て我がふり直せ。

 

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