著者の企画の打ち合わせをしているときによく思うのですが、編集者がその著者について知っていることはホンの一面でしかないな、ということです。こちらの構想を紙にまとめて、打ち合わせをするのですが、話の途中から話がとんで、いつのまにかそちらが本題に、なんてことはよくあります。

意見交換をすると1+1=3になる

さらに言うと、著者自身も話をしているときに、ふと着想を得て、そこから大きく話しが展開されることもあります。その話に刺激されて、私も意見を出して、またそこからさらに著者が敷衍して…こういう感覚はとってもいいのですね。著者ひとりでもっ編集者ひとりでも思いつかなかったアイディアということになります。

自分になじみのない事柄こそ要注意

私が心がけていることは、自分になじみにない事柄を著者がコメントしたときほど、要注意ということです。自分からすれば、「あまり関係ないな」と思っていても、著者はその話を持ち出した理由があるからです。そこを注意深く聞いていくと、遠かった話題も近くに感じてくることがあります。

コンテンツをどう並べるか

中身がだいたい見えてきたら、あとは順番を考えます。ここは著者というよりも、素人感覚に近い編集者のほうが並べる順番に敏感なような気がします。というよりも、ここが編集者としての腕の見せ所かもしれません。本であれば読者にとって、セミナーや講演会であれば受講生や参加者にとって、もっともストレスのない形でコンテンツを提供しなければなりません。あとは全体の長さによっても個々のバランスが変わってきます。

講演会やセミナーのコンテンツにも使える

これを日常の生活に置き換えてみると、人と会わないと自分のこともよくわからないということになりかねません。積極的な意味としては、人に会うことで、コンテンツになりえるということなのです。それは本だけでなく、講演会やセミナーの中身にも言えることかもしれません。自分がよく知っているテーマでも、人に話をしてみること、人に話を聞いてもらうことの重要性を感じます。

まとめ

人に自分の意見を聞いてもらうと、意外なフィードバックがもらえることがあります。それが自分にとって新たな気づきになり、コンテンツの充実につながったりします。第三者的な視点は必要です。本当は、セミナーや講演会の資料作りでも事前にだれかにアウトラインなどを見てもらってから作るのが良さそうですね。

出版企画セミナーで書いてもらっている企画書ももしかしたら、もっといろいろな可能性を考えてもっと掘り下げる必要があるのではないかとも考えています。次のセミナーでは(いつやるかわかりませんが)このプロセスをコンテンツにしたいと思います。

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