この間、編集者と話をしていて話題になった本がありました。『おじさん図鑑』(小学館)です。2011年12月初版ですが、まだまだ書店で見かけます。

「偉いおじさん」「暇そうなおじさん」「いやらしいおじさん」「スポーティなおじさん」「休日なおじさん」「おじさんの基本シャツ紹介」「二人組のおじさん」「あやしいヘアスタイルのおじさん」など、約50種類に分けて、イラストとともに、著者独特の文体で解説しています。

おじさんの生態を詳細に観察し、事細かな描写と正確なイラストはただただおどろきの一言です(〔10月山手線〕〔11月品川駅構内〕などと実際におじさんを目撃した場所と時期が書かれています)。著者であるイラストレーターが取材した期間は4年とあります。

そのほか、「おじさん予想診断」「おじさんインタビューカタログ」「おじさんさくいん」などのページもあり、読み物企画も充実。レイアウトは、4色ページと2色ページを巧みに使い分け、飽きさせないデザインになっていて、著者と編集者のこだわりが満載です。しかも1000円(本体価格)です。

帯には「すべての若者に捧ぐ おじさんになる前に、おじさんを知るべきだ」とあるので、ターゲットは若者のようですが、買っているのは、おじさん世代のような気がします。

で、その編集者とは、手間ひまかけて、こういう本を作れる著者も編集者も減ってきている、という話に。自分が手がけている本とはジャンルがあまりにも違い過ぎますが、新しいものを伝えようとする迫力は学ぶところが多いです。

なおシールも発売されているようです。

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