フリーランスの編集者にとって、お客さんはふたり存在します。一人はもちろん読者です。読者がいなければ、この仕事は成立しません。読者に対する想いから独立する人が多いのは、ある意味当然です。

ふたりめのお客さんは、自分の力を必要とする(必要と思わせる)出版社です。フリーランスにとっては、出版社がなければ、読者に対する想いも伝えられません。ただ、このふたりめの存在をあまり意識しないフリーランスが多いような気がします。

自分は、出版社の役に立つことをまず真剣に考えるべきなのでは、と思っています。毎日、忙しいと言っている出版社の編集者と一緒に何ができるか、あるいはこの出版社に足りない企画は何かを考えてから、その上で、読者への想いを形にする方法を検討したほうがいいのではないかということです。

一例ですが、その出版社の社員では(マンパワー面でもスキル面でも)企画・制作できないけれど、自分(とその人脈と)だったらできる企画を提案すれば、GOサインがでる可能性が極めて高くなります。そして自分が立てた企画なので当然読者への配慮にもこだわります。

そして、自分の企画で結果を出せば、次につながるはずなのです。目の前の仕事をひとつひとつ、というのはこういうことなのでしょう。

しかし、言うは易し、行うは難し…。まだまだできていないのですが、こういう意識を持って出版社と自分との接点を探し続けたいと思います。

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