小規模出版社のやることの中で、本づくりはどれぐらいの割合なんだろうか。編集以外のことでやることが圧倒的に増えて、そんなことを考えたりもする。一冊作り終われば「ふー」と溜息ついて、次の本にとりかかる。これが当たり前だったけれど、今はいろんなことが入り乱れている。というよりも、作り終わってから、「さーこれから」という雰囲気になる。

作りながら、知ってもらう活動をして、作りながら、買ってもらう活動をして、ときには作ることをやめて、営業に専念したりする。ホントに何でも屋になってきた。その比重のかけ方はすべて自分次第。あまり後先のことを考えずに、今やるべきことはコレなんじゃないか?と思いながら日々を過ごしている。作るのはだれでも作れるかもしれないけれど、その採算を合わせるのは自分しかいない。

同時に、人のやること、言うことも、気にならなくなり、「文句を言うのは暇だからだ」という言葉を思い出したりする。本当にそうだ。自分の前進を阻むことについては戦うけれど、それ以外のことはどうでもいい。いろんなことに関心がなくなった。闘い方も静かに戦えるようになった。相手に自分の空気を送り込む、とは7つの習慣の言葉。

そのかわり、出版ってとっても奥が深いと感じるようになった。今まで関わっていた出版はほんの一面。右肩下がりの業界であるのは事実だけど、小さな出版社を維持することはそれとは別のような気している。

どの仕事も思ったより儲からない。人間は欲深いし、人の気持ちを知ることが難しいからなのではないか。顧客目線とか、読者目線とか言うけれど、それってどうやったらわかるのか。自分のやることと人の気持ちが交差する点を見出すのはやっぱり時間がかかる。一発でわかったら誰も苦労しない。それを考え続けて、脳に汗をかき、足を動かし、人と出会って、あーでもない、こーでもないと考えているうちになんとなく方向性が見えてくるような、見えてこないような。。。

会社をやめたときは、こんなことをするとは夢にも思わなかった。去年の夏に知り合った人のおかげで、急にここまで来れた。その人との出会いは、今考えるととっても奇跡的。その人との出会いがなければ、絶対今の自分はないと断言できる。こんな出会い方は今後あるのだろうか。「ぼくは、あなたの精神的保証人だから」と言ってもらったり。こんなありがたい言葉はない。本当に。

後半は今まで立てたいろんな計画を実行するとき。小さな一歩、新たな一歩を繰り返すしかないなあと。

Related Articles: