本の企画を立てるのは、版元の編集者だけでなく、編集プロダクションが企画し、編集プロダクションから直接著者に連絡が入る場合があります。通常は、出版社の編集担当と著者の関係で話を進めますが、そのあいだに編集プロダクションが入ると少し複雑になります。その際の注意事項をまとめます。

編集プロダクションの存在が不可欠の時代に

いまや編集プロダクションの力なくして、本は成立しなくなっています。かなりの部分を外注している会社もあります。その是非はおいておいて、編集プロダクションの存在は、本の制作に不可欠になっています。役割としては、主に制作部分です。版元で企画をたてて、企画が通過したあとに、制作を担当するパターンです。著者は編集プロダクションと仕事をする場合もありますが、企画は出版社、制作は編集プロダクションと、役割分担ははっきりしています。

編集プロダクションが企画するときの注意事項とは

ただ、最近は、出版社の編集者が多忙を極めていることもあり、企画も編集プロダクションに依頼する場合があります。事前に企画の方針や方向性を示し、それに則った形で、編集プロダクションが企画をすれば、そんなに問題もないような気もしますが、著者側の立場にたつと少しややこしい事態が生じる可能性があります。

出版社の担当者が著者と会わずに企画会議に提出?!

どの出版物も出版社の企画会議を経て、GOサインがでてから、プロジェクトは開始します。最終決定権は出版社にあるので、編集プロダクションと著者が作り上げた企画も、企画書をもとに、その会議で可否が諮られます。出版社の担当者と著者が一度も会うこともなく、NOの返事をすることも少なくありません。著者がそこに費やした時間と手間は報われません。

企画会議出席者の想いがどれだけ詰まっているか

もちろん、編集プロダクションが間に入らなくても、企画が通らないこともあります。ただ、企画会議に出席する人が企画を立てないと、その企画に対する「想い入れ」が違います。出版社の編集者だって、何度も何度も打ち合わせをして立てた企画は、なんにがなんでも通したいと思うのが当然です。編集プロダクションから上がってきた企画書を見て、判断するのとでは大きな違いです。そもそも企画会議でいろいろ質問されたときに、一度も会っていない著者のことをどう説明できるのか、相当疑問です。自分は、企画会議に参加する人に、打ち合わせに入ってもらうことが必須だと思っています。

まとめ

自分は今、プロデュース業のほかに、編集プロダクション的な仕事をすることもたまにありますが、その場合、著者との打ち合わせには、出版社の担当者に同席してもらっています。本の企画は、出版社のもっとも根幹を担う商品開発なので、そこは力を入れるべきと思っているからです。そしてもし企画が通らなかったら、出版社の担当者から報告すべきとも思っています。その手間を省いて、編集プロダクションに後始末をさせようとするのは、その人の仕事に対する姿勢が問われると言ってもいいでしょう。逆に、そういういところまで一緒に付き合うと、その担当者の企画に対する考え方がわかり、次の企画につながるのです。

 

==【昨日の活動・所感】==================

・最近、iPhone5のバッテリーの減りが異常に早いと思ったら、バッテリー交換プログラム(https://www.apple.com/jp/support/iphone5-battery/)の対象機種でした。AppleCare+に入っていたので本体ごと新品に交換できた。

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