編集者が、たとえば、本質を伝える技術を本にしたいと思って、著者を探そうとすると、選択肢は無数にあるようにも思いますが、まったくないようにも感じます。自分は本質を伝えていると思う人は少なくないはずですが、編集者からすると、だれに書いてもらうべきかなかなか選びにくいのも事実です。

ロゴマークを通して何を伝えるか?

『本質を一瞬で伝える技術』(KADOKAWA)という本があります。この著者はデザイナーです。ロゴマークを専門に手がけているようです。デザイナーがこのタイトルの本を書くとは、自分は少し意外な感じがしました。ただ、この著者曰く「デザイナーとしての仕事を通じて、「本質をは何か」「間違いなく見抜ける方法はないか」「どうすれば一発で本質を表現できるか」を真剣に考え続けてきました」と「はじめに」で記しています。

ロゴマークのデザイン=本質を伝える仕事

つまり、ロゴマークのデザインを「本質を伝える仕事」とご自身の中で定義しているのです。だからこそ、文字化できて、メソッド化できているのだと思います。ロゴマークを制作できるデザイナーはたくさんいると思いますが、その仕事を自分なりの定義までしている人は多くないと思います。

自分のなりの仕事の定義を考える

自分の仕事が社会全体にとってどんな意味があるのか?を考えると新たな切り口が見えてきます。この本には、「限られてたスペースと資源で勝負する一流のロゴデザイナーが教える「物事の核」を伝える思考法」とのキャッチコピーが書いてあります。こういう定義をしていると多くのデザイナーとは違うなという感じを与えます。別の言い方をすると、他の職業の人がこのテーマで書くことも可能で、その際にはまったく違ったアプローチになることは明白です。

最後に

自分にとってもまったく同じことが言えて、「自分にとっての編集は?」が答えられないと、「編集をする人」というイメージにとどまります。これでは差別化はできません。「自分は編集を通して何をしているのか?」を考えないとと思います。

==【昨日の活動・所感】==================
・昨日はグループコンサルに。各自の近況や問題点を発表して、ほかのクライアントからコンサルティングをしてもらう機会。人のコンサルティングをみると勉強になる。

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