出版企画書を見ていて「本当にこの著者のよさを表現できているのだろうか」と思うことがあります。通常、編集者は著者の強みを本にしようと考えています。著者も自分だから書けることを考えているはずです。

自分の強みは容易にはわからない

ただ「自分の強み」とか「自分が書けること」は、かなり奥が深く、深掘りする必要があります。「強みと思っていないこと」に強みがあったり、「書けないとおもっているところ」に書ける可能性があったりするのです。この発見は、とっても時間がかかることだと思っています。

二番煎じは限界にきている?

ビジネス書の世界では、他社でこんな切り口の本を書いているから、うちの会社ではちょっと切り口を変えて…というやり方が主流なような気がします(自分もそういう企画を立て方をすることもあります…)。このやり方では内容が薄く感じられるのは当然かもしれません。著作に現れている部分は、氷山の一角です。見えている部分を少し切り口を変えたからといって、得るものはそんなに多くないのかもしれません。

水面下の存在を意識する

もちろん水面下の存在だけでは尖った企画は成立しないかもしれませんが、そこを知ることでもっと濃い内容の文章にできるはずです。多忙を極めるコンテンツホルダーに10時間(2時間×5回)ぐらい時間をとってもらい、取材をして一冊の本にするやり方も価値がありますが、水面下の存在に光をあてて、その人の思想や哲学を知ってから、言いたいことを考えることも意味があることだと思っています。

まとめ

出版は、小ロット多品種の商品構成なので、企画は多様であるべきだし、いろいろな作り方があってもいいと思います。売上重視だと、すでに読者をもっている著者の企画に目がいきますが、こういう時代だからこそ、著者の持っているコンテンツを丸ごと引き受ける作り方もアリなのではないかと思っています。

==【昨日の活動・所感】==================

・昨晩は、高校のひとつ上の先輩・上田修司さんの飲み。むかし話でかなり盛り上がる。今後、生き方も働き方も勉強になりました。ありがとうございました。

・飲みまでランで行こうと思ったのに、雨で実行できず、残念。

 

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