ビジネスで情報発信が大事といわれていますが、ビジネス書を書く上で大事なのは「何を発信するか」「どのように伝えるか」「だれのために発信するのか」が問われます。この問いの目的は「読者にとってどれだけいいことがあるのか」を明確にするためです。そのベネフィットがないと本は買ってもらえません。

基本的に他の人がすでに言っていることを言ってもダメです。経験をつきつめるとだいたい本質論に辿り着き、その本質論はだいたい同じになるはずで(だからこそ本質なのですが)、これを伝えようとするのは、難易度が高いです。よっぼど独自のアプローチがあれば別ですが、見ず知らずの著者が「時間管理が大事」「早寝早起きが大事」「思いやりの心を持ったコミュニケーションを」「第2領域を確保することが投資の肝」と言っても、多くの人は「それはそうだよね」で終わってしまいます。読者にベネフィットを感じてもらえないということです。

たとえば「なぜ早起きが大事なのか」について、その理由で独自性を出すのはなかなか困難ですが、「早起きの習慣が人間を堕落させる」だとまちがいなく独自の話が展開できます。本当にそう思っているのであれば、それを深堀りしましょう(たとえば、ですよ)。この部分が読者が前のめりになるポイントになります。もちろんその説明に説得力があれば、の話ですが。メッセージ+伝え方が問われます。

超有名人でない限り、本質論は書籍にはならないとおもったほうがいいし、もしかしたらビジネス上の情報発信でも有効ではないのかもしれません。引用も同様で、有名人や著名人の本質部分を引用しても、その人にぶら下がっている感じを与えては逆効果です。

それより「当たり前のことは言わない」ぐらいの気持ちを持ってメッセージを発信したほうが刺さるし、それが尖る一歩なのだと思います。もっと言うと、本当に尖っている人は、必ずプレッシャーとか不安とか恐怖などを経験していて、そこも素材として考えたほうがいいです。結果だけ伝えようとしても伝わらない可能性が高いです。それぞれのテーマで考えてほしいと思います。

【編集後記】

ここ数日で、ほかの人の人生を立て続けに聞く機会があり。50歳すぎてお店を開店したときの話とか、24歳で大学に入った人の話とか、40年お店を続けている人の話とか。まさに「人生、山あり谷あり」。

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