本の仕事をしていて、つくづく思うのは、分量が多いので、一夜漬けがきかないことです。正しいスケジュールがよりよいものを作るための前提だと思っています。こんなことは皆が思っていることですが、つねにできているいかというと、そうではないです。新人とかベテランは関係ないです。
ひとりでやるからこそ、スケジュールを大事に
かつては自分も、「最悪の場合、自分が寝ないでやればいいか」という気持ちを持っていました。実際にすさまじいスケジュールで本を作ったこともありますが、その作り方は、売れ方以前にデメリットがたくさんあります。まずは、寝ないでやり終えたことで、へんな満足感を持ってしまうことです。ふつうにやっていれば、まったく満足感を感じないところなのに、自分のスケジュール管理のあまさで、それを乗り越えたからといって満足感をもつのはおかしな話です。
スケジュールが破綻するとひとりでやらざるを得ない
そのスケジュールだと手伝ってくれる人を見つけることが困難になります。時間をピンポイントで指定して、時間を作ってもらうことはほぼ無理です。だからこそ、ひとりでやらざるを得ないわけですが。ふたりでやれば、チェックも注意喚起もし合えるのに、ひとりで時間に追われているとそこもあまくなりがちです。たとえ、助けてくれる人が見つかったとしても、(切羽詰まった状況は理解してもらえるかもしれないけれど)同じテンションを持ってもらうこともほぼ無理です。事前のプロセスを共有していないからです。
最後に
突発的な事故があった場合は、そんなことを言ってられないので、最善を尽くして、対応すべきですが、その仕事が終わったあとは、その事故は防げなかったのかの分析が必要です。編集は、お願いする仕事だからこそ、自分に非がなかったのかを考える必要があるのです。著者のせい…、印刷所のせい…、デザイナーのせい…と言っても始まりません…と肝に銘じています。