忙しい著者に執筆依頼を受けてもらうためには、編集者の熱意や情熱を見せることはもちろん必要ですが、それだけでは十分でないことも多いです。相手のビジネスにどれだけ貢献できる企画かを提示する必要があります。

出版がビジネスにもたらす貢献とは

多大な時間とエネルギーを費やして執筆していただくわけですから、本単体で考えるよりも、いろいろなレバレッジを効かせたほうがお互いのメリットになります。そのためには、相手のビジネスについてできるだけ情報を集めることが前提になります。そのビジネスモデルに出版を加えるとどんなメリットがあるか?あるいはどんな本を書くとどんなメリットがあるかと考えます。

企画書は氷山の一角

この話はおもにビジネス書に限った話なので、大学の先生などのケースには当てはまりません。そういう場合でもどうしてその本を書きたがっているのかを知ることは必要です。そうしないと、企画の深堀りができなくなります。企画書だけで企画を判断すると、そこが見えなくなる可能性があります。企画書は氷山の一角と思っていて、見えない部分に、思わぬネタが隠されていることをしばしば経験します。編集者は、人が持っているコンテンツをすべて出版可能性からの視点でみるので、著者が自覚している強みとは異なることが多く、企画をよりよいものに練り上げることができるはずです。

出版の中での自分の魅力は

ベテラン著者は、そのあたりの感覚をつかんでいるので、とても的確な企画を提案できることも多いです。自分を出版の世界に身をおいた際の魅力を自覚化しているのです。それまで原稿を書く間に、試行錯誤してきた中で培われるのだと思います。先日提案してきた著者はまさにこのパターンで、自分を知り、相手を知っている感じがしました。

最後に

企画を通すことは簡単ではないですが、間違いなく著者の立ち位置を明確にできれば、可能性は高まります。そのためのひとつの方法は、競合書の分析と自分が書こうとしているテーマの本が今までなんで出てこなかったのかに思いをはせることかなと思います。後者を考えることはかなり難しいし、自分の常に手探りですが、それでもそれを考えることで、企画の魅力が明確になる気がします。
==【昨日の活動・所感】==================
・友人たちと「よこやまの道」というコースをランニング。気温が高く辛かったけれど、前から行きたかったところなので、満足。そのあとは、河川敷でキャッチボールとうオマケも。心地いい疲労感。Mさん、Aさん、ありがとうございました!

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