この間、ある人の紹介で初めて会った版元編集者と企画の話になりました。どういう方向性で企画を立てているか、どういう基準で企画を成立させているか、などなど。それ自体も興味深かったのですが、共感したのは「売れる著者に執筆のオファーをするのは、本当のことを言うと、編集者としては満足度は高くない」ということでした。もちろん売れっ子著者に、新たな企画を提示して承諾をもらえることは編集者としてはもちろん名誉なことなのですが、「同時に、初出版の人の手伝いもしたい」と言っていました。「最近はこちらのほうに意味を感じる」と。

企画を立てるのはベテラン著者か新人著者か?

本当に同感なので、その話で盛り上がりました。会社の業績や個人の成績などを考えれば、売れっ子著者に当たりまくったほうが数字はできると思いますし、そういう基準でオファーをすることがあってもいいと思います。そこは全否定はしないのですが、ただ、オファーを受ける著者に「前の本が売れているから、声をかけてきた」ことがバレバレです。たいした策もなく話をしても断られる可能性が大です。それよりも、初出版の人と一緒にやったほうが自分の仕事を再認識できるのいうのです。

初出版の人の企画を通すことの意味

初出版の著者の場合は、すべてが初めてなので、時間がかかります。打ち合わせもやりとりも増えます。ただ、そこを乗り越えて本を出せた喜びは本当に大きいのだと思います。編集者と二人三脚で作った感が強いですね。すでに20万部売っている著者の5社目(5冊目)の編集者よりも、初出版の編集者のほうが仕事としては大きいのだと思います。今自分が関わっているジャンルの本では、ということですが。

最後に

「正直言って、そういうこと(=新人発掘)に時間をかける余裕がだんだんなくなっている」と、その編集者は言っていました。話を聞くと、ノルマがキツそうで、かなり多忙な毎日を送っている感じでした。そこに疑問を感じて、辞めていく人も少なくないと。なんだかとってもわかる話です。本を編集しながら企画を立てるのは、余裕がないとできないです。今の仕事は幸い初出版の方のお手伝いをすることが多く、本当にギリギリのところで企画を立てている感じがあるのですが、それこそやるべきことかなと思っています。
==【昨日の活動・所感】==================
・企画が一本通過。よかった!実績のある著者なので、流れを変えられる本にしたい。
・知り合い編集者に誘われて、ある方のトークイベントに。熱い人で、かなり面白かった。オーラすごい。

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