あなたらしい企画とは?あなたらしい文章とは?

本作りは、本の内容というよりも、著者と編集者が
お互いをよく知り合うところから、始まると思っていて、
実際、1冊本を作ると、とってもお互いを知ることができます。
そもそも「その著者らしい企画」とか「その人らしい文章」かどうかは、
実際に著者をよく知っていないと判断できません。雑談で意外な価値観を
知ることもできます。書き始める前が大事なのは、お互いがどんな
価値観や信念を持っているかを知るプロセスだからです。

真意がわかると表現の確定は楽

お互いをよく知ると、原稿を読んでいるときに、
ちょっとその人らしくないな、と思うこともあります。
逆に、著者の方から、自分が入れた修正に対して、
「吉田さんらしいですね」と言われることもあります。
こういう段階になると話は早く進みます。意図が
確認できれば表現の問題になるからです。
そこがわからないで表現だけ変えても、真意は
伝わりません。

仮説を立てて会ってみる

なので、あったことのない人の原稿を読むときには
深いところまで理解はできません。ただ、
その背景を探ってみて、どんな人なのだろうか、
なぜこのテーマを選んだのだろうか、本質的な希望は
どこにあるのだろうか、などの問いに仮説を立てて、
会うことでより理解が深まるのだと思っています。

最後に

編集者が入れた赤を著者が快く思わないことがあるのは、
指摘された内容というより、事前の関係性ができていないからです。
本作りを通してその人を知る。編集者の醍醐味はここにあると思っています。
==【昨日の活動・所感】==================
・父も母も義母も入院という事態に(しかも皆、別々の病院…)。そういう時期に突入してきた。働き方を考えさせられる。というか、今年は、働き方を大きく変化させる年にする。
・午前中、大学の仕事してから、池袋に。午後はひたすらライティングの研究(?)。

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