先日、著者とゲラをもとに打ち合わせをしていて、ドキッとしたことがあります。
そのゲラには、レイアウトから文章が溢れているところに「3行はみ出し」と書いてありました。「レイアウトに収めるために、はみ出している3行分を削ってください」という意味です。
その著者は『「はみ出し」という表現はないよね。もともと文章が先にあって、レイアウトが対応していないとも言えるわけで。少なくとも自分が書いた文章がはみ出していると表現されることには違和感がある』と言ってました。たしかに著者の身になってみると仰るとおりという気がします。
ただ編集の過程でページ調整や行数調整をしなければならないときは必ずあります。それは著者の方に理解してもらえると思うのですが、せっかく書いていただいたものを編集の都合で削っていただく、という気持ちがないと、「はみ出し」ということばを簡単に使ってしまうのだと思います。
正直にいうと、自分はこのことばをこの業界に入ってからずっと使っていました。改めて別の表現を考えなければと思っています。