この間、編集技術者という言葉を初めて聞きました。この言葉を使っていた人は、「編集の「作業」をするのか、編集の「仕事」をするのか、まったく違います。編集者は、編集の仕事に時間をかけるべき」といっていて、簡単に言うと、右から左に仕事を流す人のことを編集技術者と呼んでいるようでした。

編集技術者ってどんな人?

言葉を聞いたのは初めてでしたが、この感覚とってもよくわかります。仕事が慣れてくると、新しいことにチャンレンジをしなくなります。成功してしまうとなおさらです。新たな問題に直面しつつも、かつての成功法則から離れられなくなるのです。そこに気づかず、作業を繰り返すのです。「前回こうだったから、今回もおなじことをして…」。こうして作った本の結果は当然のごとくあまり芳しくないのですが、問題は自分の外にあると考え、「仕方がない」で片付けてしまうのです。正直言って、かつてこんな仕事をしたことがあります。

形だけの差別化は見透かされる

常に新しい価値を生まないと、著者にとっても読者にとって意味がない本になります。形だけの差別化は、見透かされます。編集している当事者も薄々気づいているときもあるでしょう。ただ、時間がなかったり、ノルマが厳しいとそこを掘り下げずに、本を出してしまうことを優先させてしまうこともあるかもしれません。

最後に

「出版不況だから…」と言って、売れなくても仕方がない、といった風潮があるのもよくないと思います。売れないから、冊数を増やし、時間がないので、また同じ技術で本を作ろうとします。自戒の念を込めて書きますが、編集者が絶対的な自信を持つまで、内容を吟味しないといけないはずです。編集技術者がやっている仕事は、外注もできるし、やがて淘汰されると思います。ますます編集力が問われる時代になったと思いますが、個人的には楽しみです。
==【昨日の活動・所感】==================
・友人と半年ぶりぐらいに再会。その間に友人の身に起きたことを聞いて激しく動揺。本当に何があるかわからないし、今日を生きることが本当に大事。

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