この間、『里山資本主義』や『デフレの正体』などの書籍を書いている藻谷浩介氏の話を聞きにいった。以前から気になっている人だった。最近は気になている人の話が聞ける機会に恵まれているのは本当に幸運なことだ。話の最初に自らの予定表を示してくれたがウルトラ超多忙の人だった。よく来てくれた感じ。話のテーマは多岐に渡っていたけれど、一貫したメッセージは、「風潮や感覚に頼らないで、データに基いてきちんと考えよ、議論せよ」ということだった。

国別の貿易収支を見たり、日本の輸出額の推移を丁寧に見たり、県毎に年代別人口を見たりすることで、今の日本がおかれている状況の一部が見えてくることを示してくれた。話をしながら、質問を投げかけ、選択肢を与え、参加者に挙手させるという進め方。なんとなく自分が感じていたこととは大きく隔たりがあることを実感させてくれた。藻谷氏曰く「世の論客、評論家、識者と言われている人は皆、客観的な事実にもとづいて議論していない。ヤフーニュースとかには書いてないですからね」とバッサリ。物言いがキツイので、反発も多いらしい。ただ、そこに来ていた某大学の教授も大きく首を縦に振っていたけれど、藻谷氏の頭の中にある膨大なデータ量に驚かされる。

自分の感覚はあてにならない。そんなことをあてにしていたら、大きな過ちを犯すことになる、ヤフーニュースはおろか、マスコミも絶対報道しないことがたくさんある、だから自らデータを取りに行け、と。それはその通りなのだろうけれど、客観的なデータからその背後にある意味を読み取るのはやっぱり相当の知識が必要なのではないかと思う。けれど、風潮に基づいたへんな議論をする時間があれば、まずそういう事実を学べということなのだ。

考えてみると「なんとなくそう思う」ことは多い。それは本当にそうなのか。その前提はどこからくるのか、その議論は何のデータにもとづいているのか、そのデータの解釈はひとつなのかを考え続けることは意味あることなのだと思う。今年のテーマは「それは本当なのか」と問うことだ。

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