10月はあっという間だった。書籍が2冊同時で進行していて、この2冊は外注はしないと決めていたので、かなり忙しかった。2冊とも終わりになり、ホッとしているところ。1冊は3月からスタートしていた本。もう1冊はクラウドファンディングで作る書籍。こちらはタイトスケジュールだっただけに、ほぼ終わったことがうれしい(正確に言うと、月曜日にデータ入稿だけど)。自分で決めた期日なのだけど、それを守るのがかなり大変だった。久しぶりに追い込んだというか、追い込まれたというか。この1週間はかなり激務だった。2日間でゲラが3回転した。関係者にホント感謝。タイトルは『「ありえない」をブームにするつながりの仕事術』とした。

その間にもクラウドファンディングで作ったコミュニティのイベントが複数あり、かなり楽しい。自分に活動できる場がオンラインにあり、皆が注目している中で、「自分は何をしているのか」「何をやろうとしているのか」「このオンラインコミュニティで新たにやりたいことは」などを発表することは意味があること。すべて立候補だけど、次々とそのプレゼンが決まっていくところにこのメンバーの面白さと感じる。海外在住者も多いのがこのコミュニティの特徴。今回のクラウドファンディングで200人以上のコミュニティが作れた意義は大きい。当事者もやってみないとわからないことばかり。コミュニティビジネスなんてわざわざ勉強しなくても誰もが新たな一歩を踏み出せる環境を作ればよいのだ。コミュニティにいるのに、「コミュニティ立ち上げます」みたいなことを宣言して、時間をかけてミーティングして、進捗は……???みたいな状況とはまったく違う。

こういう機会はそうはないと思う。いつの間にかクラウドファンディングが終わっていたという人もいるけれど、こういうことは、感度を高くしておかないとあっという間に膨大な情報の中に埋もれてしまう。発信する側もそれを承知で告知をしないといけない。クラウドファンディングに参加したいと言っていたので声をかけた人も結局は参加しなかった人もいる。興味あるけれど、3000円払っても何が得られるかよくわからないからやめるという人とはたぶん仲良くなれない(それには興味がない、と言い切れる人とは逆に仲良くなれる。人はそれぞれだから当たり前のこと)。動かない人はてこでも動かないし、動く人は誘う前から参加表明をしている。

今回作った本の編集はほんとにシビレた。この本に共感しない人とは話したくない、ぐらいの気持ち。編集をしていていちいち唸った。

この本は絶版新書としては3冊目。著者がかつて書いた本の一部を引用した。絶版になった本でも文脈を変えれば読む価値がある。それを作り出すのも自分がやるべきことだと思うのだ。

先日、紀伊國屋書店新宿本店において、フランス翻訳書フェアなるものでプレゼンをしてきた。日仏交流160周年を記念して開催された催し。10社以上が参加していた。他の出版社は誰もが知っている会社ばかり。ひとり出版社なんて他にいない。まして絶版本の復刊なんてありえないといった感じ。なんだかそれがちょっと嬉しかったり。これが自分がやるべきことと確信した。

今年もあと2ヵ月だけど、まだまだやりたいことたくさん。突き進むのみ。

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