一度ビックヒットを達成すると、編集者は次の企画も大きな数字を狙いたくなります。それは当然のことです。２作目も当たれば皆ハッピーですが、そうならなかったときには何が起こるのでしょうか。
先日何十万部のヒット作を出した著者に会いました。彼が言うには「５万部でも失敗作と思われるのはつらいですよ。出版社も読者も期待値が上がってますからね」と。それより「書いている最中に、売れるかどうかが頭をよぎることがツラいです」と言っていました。
これが売れたことの残像なのだと思います。快打を飛ばしたあとにバットの振りが大きくなると同じことです。無心で書けないというのです。そういうことを考えると、ヒット作を次々と飛ばす著者は本当にスゴイと思うのです。
ただ、自費出版でない限り、本を出すということは、出版社に制作コスト、営業コスト、広告コストなどを出資をしてもらっているということなので、その期待に応えるのは当たり前かもしれません。でも失敗したときのダメージが出版社側と著者個人ではあまりにも違います。この話を次回お伝えします。
