ビジネス書を書く場合、書いたものが読者の「お役に立てる」ことが大前提です。そうでないと買ってもらえません。著者の実績とか経験はよほどの著名人でなければ決定打になりません。
お役に立てると著者は思っていても、読者にそれを伝えるのがかなり難しいと思っています。簡単に言えば、「読者の立場になる」ということなのでしょうが、実際に「なる」のはかなり困難なのです。
ライティングの世界でいわれているのは、「ひとりの特定の人物を思い浮かべながら書く」ことです。実在する人がリアルにイメージできるのでよいと思いますが、そうではない場合は、リアルな人70%+想像上の人物30%ぐらいのこともあると、ある著名なライターの方がおっしゃっていました。
要はそれぐらいイメージできないとお役に立てないということなのだと思います。ビジネス書以外のジャンルはそんなことはないですが。
お役に立てると思ってもらうには、その読者の悩みにフォーカスして、その悩みが解決できるということを端的に示さなければならないのです。「どうやって解決してくれるのか」に対する答えともいえます。著者の具体的な経験例ではアピールしません。もっと抽象化された方法論にする必要があるのです。