英語をやり直したいという人から「何をやったらいいか?」との質問を定期的に受けます。その人の現在の学力、英語学習にかけられる時間、英語を学習する目的によって「ベスト」は変わるのですが、基礎固めが必要と思われる場合は、以下の本をオススメしています。

タイトルも装丁も地味な本ですが、中身は相当手が込んでいます。『ALL IN  ONE』という書名は、この1冊で単語2600語、英語熟語・構文1100、英文法の全範囲、英文読解+速読がマスターできるという設計から来ています。

訳は2段階

ページレイアウトは、例文1つを原則として1ページで解説する形式。訳と語彙と文法事項の解説で構成されています。訳は英語の語順で訳したものと、例文の和訳の2段階になっています。たとえば、例文153【過去分詞の形容詞用法】には以下のような英文と2つの訳が記載されています。

〜引用ここから〜〜〜〜〜〜〜〜〜

The principal focus/of the newly introduced educational program/is/on cultivating and developing pupils’ mental and critical faculties.

【英語語順】主要な焦点は/その新しく導入された教育プログラムの/ある/上に・育むことと発達させることの(上に)・生徒たちの知的なそして批判の能力を。

【訳】新しく導入された教育プログラムは、生徒の知的能力と批判力を育み伸ばすことに主眼がおかれている。

〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜

関連項目へのリンクが充実

英語を速く読むには、英語の語順でインプットすることが不可欠です。【英語語順】はそのインプットの過程を日本語で示しています。さらに文法解説のコーナーでは、introducedが受け身の形容詞として、名詞を修飾していることを説明していますが、この本の特徴は、関連項目に参照番号が着いていることです。この例文では形容詞用法(introduced)+名詞(program)と過去分詞が名詞に「前から」修飾している形ですが、一緒にインプットしておかないといけないのが、children brought up overseasのように、過去分詞が「後ろから」修飾しているケースです。この違いを一緒に把握することが、理解を深めるのです。この本は、「後ろから修飾しているケース」にも触れて、さらにこの項目を解説している例文の番号を記載しています。随所にこのような参照番号がついていて、編集の細かさを感じさせます。

付属CDには音声も充実

もちろん付属CDに音声も収録されているのですが、それとは別に、MP3データでナチュラルスピードとスロースピードの2パターン収録されています。ディクテーションにも便利で、付属のCD-ROMには、ディクテーション用のソフトウェアもついているようです(私はつかっていませんが)。

英語基礎力を身につける本

例文は、ビジネスから離れた内容のものもあるので、単語を覚える教材としては十分ではないかもしれませんが、単語は自分の専門用語をインプットする必要があるので、ここは切り離して考えた方がいいでしょう。ただ構文と文法はこれで十分です。500ページ超の本書をきちんとやり遂げたら、英語に対する印象が変わると思います(ただし、この本で培えるのは、英語基礎力なので、TOEICなどのスコアを短期間で飛躍的に伸ばしたいという人には不向きです)。

まとめ

この本以外にも同様のコンセプトの本はたくさん出ています。見た目の親しみやすさなども手にとるかどうかに影響するので、書店でいろいろ比較して決めるのがいいと思います。ただ、基礎力は、一度身につけてしまえば一生使えるので、お手軽なものに手を出さず、落ち着いて丁寧に学習するに値する教材がよさそうです。

==【昨日の活動・所感】==================

・ここ数日、部屋の片付けをしているが、まだまだ処分できるものがありそう。

・少し大きな決断を迫られることになり、リサーチ始める。といってもあまり時間がない。

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