今日の朝日新聞のオピニオン欄に「70歳まで働きますか」というタイトルで3人の識者のコメントが掲載されています。高齢者の働き手を増やす政府の戦略に対して意見という形ですが、その識者のひとりである楠木新さんの働き方や考え方が興味深かったです。

「こころの定年」に耳を傾ける

楠木新さんは、1954年生まれ、保険会社に勤務をしながら、執筆活動をしています。なぜ2足のわらじを履くようになったのか?その経緯をこう説明しています。

私自身、若いころは順調に組織の階段を上っていましたが、40代後半になって、「こころの定年」を迎えました。成長している実感が得られず、誰の役に立っているかもわからなくなり、出社できなくなりました。転機になったのはサラリーマンから転身した人に話を聞き始めたことでした。小さな会社を立ち上げた人、そば打ち職人になった人、プロの落語家になった人…。(中略)話を聞いた人は、150人を超えます。彼らの生き方と自分を何度も重ね合わせる作業を通して、自分が何をすればいいかのが、見えてきたのです。

結果、会社を辞めるか、残るかの選択ではなく、サラリーマンの経験を題材に文章を書き、会社に残りつつ、発信することを始めた、というのです。「第3の道」です。そんな選択肢を考えられるようになったのは、人と会ったからですね(150人とはすごい数です。自分はまったくできませんでした…)。会社に対する違和感があれば、それを何らかの形で払拭する努力をしなくてはならないことを痛感させられます。そして人と会う中で、「転身した人の多くは「こころの定年」を経験していた」という発見も、支えになったはずです。

「こころの定年」に対するリスクヘッジ

「こころの定年」が意味するところはさまざまだと思いますが、仕事に全力で打ち込めなくなったら、定年の予兆と思ってもいいかもしれません。楠木さんは、「こころの定年を迎えたときに、自らの目標を探り出し、時間をかけて取り組めばチャンスが生まれるはずです」と書いていますが、自分はこころの定年を迎えないためにも、自らの人生の目標を探し続けることが必要だし、それが会社にいたとしても辞めたとしても、リスクヘッジになるのではないかと思っています。

まとめ

この文章は「70歳まで働くことの環境を整備するのは、国でも、会社でもありません。それは自分自身なのだと思っています」と締めくくられています。70歳まで働くことの是非についてはいろいろな意見があると思いますが、サラリーマンで成功する人はわずかだからこそ、多くの人が考えなければならないテーマだと感じました。

楠木新さんの著書

 

==【昨日の活動・所感】==================

・親戚のお見舞いに行ったあと、打ち合わせ。企画リサーチ→まとめ。

・東海大四のピッチャーの超スローボールを批判するのは解せない。

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