今日はUTMFのサポートにいってきましたよ、というお話。

だれもが知っているポピュラーな大会ではないけれど、山を走る人には、いろんな意味でとっても大きな大会:ULTRA-TRAIL Mt.FUJI。通称UTMF。友人たちが出場するので、サポートしに行ってきた。エイドでのサポートは、大会でも認められていて、サポーター用の駐車場も用意されている。前回のUTMFもその予定だったのだけど、悪天候のため短縮されたため、結局現地には行かずじまい。今回はこちらもややリベンジ的な感じだった。

レースは、金曜日の午後3時に河口湖をスタートしたのだけど、自分は金曜日に夜に用事があったので、金曜日の昼に現地入りした。最初にサポートしたのは、A5(←5番目のエイドということ)勝山というところ。98キロ地点。ランナーズアップデートというページにナンバーをいれると、エイドにいつ入り、いつ出たかが記される。それだけでは大雑把なのだけど、友人たちは皆途中で様子を伝えてくれていた。「あと3キロぐらい」と書かれると、今か今かと待ち受ける。

エイドには選手が食べるものが用意をされているのだけど、こちらもできるだけ多くの食糧を買い込み、フリーマーケットのようにモノをシートの上に並べておいた。「どれがほしい?」と言っても考えられないとだろうから。あとクルマから電源が取れるので、車中でお湯を沸かし、現地まで持っていった(電気ポットは友達から借りた)。

A5では友人3人が30分の間に飛び込んできた。すでに22時間ぐらい走っている。。。この事自体とんでもないこと。「エイドにあまり食べ物がない」とも言っていたので、いろいろ持っていってよかった。うつ伏せになってもらって大腿部をこちらの足でほぐしたりした。ちゃんとした足圧という方法もあるらしいのだけど、そんなことはよくわからない。自分がやってもらったらいいかもと思うことをやってみた。

A6とA8はサポートできない場所。駐車スペースが確保できないためらしい。その間、友人たちと合流し、夕食を食べたり、彼らを宿まで送っていったり、ファミレスでちょっとメールをしたり、あっという間の時間。そのファミレスで、知人とばったり遭遇。彼は仕事で現地にいる。A7は山中湖。午後10時ぐらいについた。現地でボランティアをやっている友達とか奥さまが出ているので応援している友人、その前のポイントでスタッフとして動いていた友人たちとも合流。知り合いは10以上になって、楽しかった。待っているほうは気楽だ。そんなことをしていたら、走っている友人Kさんからメール。「疲労困憊なので、A7でやめます」と書いてあった。

なんともいえない気持ちだけど、本人が一番つらいはず。制限時間には間に合うのにやめる決断をするというのはよっぽどのこと。とにかく安全に帰ってきて欲しいと思った。最初に来たのは、Tさん。制限時間の40分ぐらい前か。暖かいものが欲しいと言っていたので、味噌汁を渡して、マッサージブースに。気温もかなり下がっている。サポートエリアは外なのにそこで仮眠する人、ひたすら食べる人、何も語らない人などさまざま。30時間ぐらい走っている人の気持ちはわかろうとしてもわからない。Tさんはなかなかマッサージから帰ってこない。皆が心配しているとようやく帰ってきた。特に慌てるわけでもなく、制限時間の8分前にリスタートしていった。午前0時22分。

「制限時間が迫っているのにあんなに長時間は休めない」というのがうちらで話していたこと。気持ちだけ焦る。早く行かなければ、と思うのが普通。結局このTさんの落ち着きが最後には大きな勝因になった気がする。Tさんがスタートしてからすぐに「もう走れない」と言っていたKさんが帰ってきた。見込みより20分以上遅れていた。気持ちがきれると前に進むのがより一層困難になる。口数は少なかったけれど、たんたんに受け入れていた感じ。落胆の表情は隠せない。でもここまで128キロ。とんでもない距離だ。とにかく無事に帰ってきてよかった。

もうひとりのTさんがなかなかこない。制限時間過ぎているのに連絡もこない。サポートエリアもだいぶ人がいなくなり、宿に帰る友人たちを別のクルマで送ってもらったり、分担しながら、うちらは駐車場にいたら連絡がきた。「今、つきました」と。エイドに出向くと「胃がやられて全然ダメだった」と。A5でも胃薬を持っていったけど回復しなかったらしい。A5から12時間ぐらいたっている。ちなみにここの関門で引っかかった人は20人弱。山中湖にかかる、真っ暗な橋をヘッドライトをつけてこっちにやってくるのだけど、みんな満身創痍。もう走れない。ひかりがなかなか大きくならない。ずっとその様子をスタッフと見ていた。

KさんともうひとりのTさんをゴール地点まで送り24時間開放している温泉に入ってもらった。こちらは落ち着かず、入らずじまい。様子を仲間に知らせようと、あちこちに写真をアップしまくった。午前4時ごろ、少しだけ車中で仮眠。午前6時前に目がさめる。ゴール地点からすぐ近くだったので、選手がゴールするたびに歓声が上がっている声が聞こえたけれど、眠気には勝てず。大会スタッフはホントに重労働。

最後のサポートはA9の富士吉田。187キロ地点。到着したのは午前8時ぐらいだったかな。その前にTさんが「麦茶と飲むヨーグルトがほしい」とメッセージを送ってきたので、コンビニで調達。今回、何度コンビニに寄ったかな。このエイドでも友人が走っているのを目撃し、声をかける。Tさんはここでは意外にも(?)あっさりスタート。このへんの独特のリズムは本人の試走によって培われたものなのかなと思った。最後の山はめちゃくちゃ険しいらしい。彼が全コースを試走している。ここでスタッフしている友人と一緒にちょっと歓談。

最後はフィニッシュ地点へ。多くの選手がゴールする時間帯でもあり、応援の人も大勢詰めかけて、大盛り上がり。2時間ぐらい応援していたけれど、これを観ているだけで勇気がもらえる。ばったりカメラマンのFさんとも会う。彼は木曜日から来ているらしい。フィニッシュ直前で「あの人も走っていたのか〜」と思う人もいて、とりあえず写真を撮る。Tさんは「あと3キロ」と言ってからなかなか現れず。まだかまだかと待ちながら、ようやく来た。ここまで来たら、奥様と歩きながら、話をしながら、フィニッシュに向かう。制限時間の30分前の45時間30分(日曜日12時半)でゴールテープをきった。フィニッシュ直前に友人から渡れされたシャンパンが美味しそうだった。

今回はサポート役だったけれど、やるからには全力でと思った。。サポートは、最初はひとりでやる予定だったけれど、皆が協力してくれてスゴイ一体感だった。結果、とっても楽しかったし、いろんな力をもらえた気がする。というわけで初めてのUTMFは終了。来年も現地に行くぞっと。

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