たわいない話なのですが、今「納豆」がマイブームです。理由は、とっても単純で、3週間ぐらい前に参加したトレイルランの講習会みたいなところで、タンパク質を採れを言われたからなんです。以後、事務所前にあるスーパーに行き、納豆を買う日々が続いています。単純行動以外のなにものでもないです。

そのスーパーには30種類ぐらいの納豆が並んでいます。食の安全を最近学んだこともあり、まずは国産大豆を100%使っているものにしてみました(国産大豆使用、という表記は、国産の大豆が半分以上含まれていれば使えるそうなので、ほかはどんな大豆が入っているかわからない)。ただ、値段の差があり、なんでこんなに違うのだろうと思い始めます。価格だけみると高いものは安いものの3倍ぐらいしていますが、高いものは量が少ないので、100グラムあたりの単価にすると4〜5倍ぐらいのものもあります。

安いものの5倍もする納豆を作る生産者の気持ちはどうなんだろうとかと思いをめぐらせます。高いといっても数百円なので、国産大豆100%にも手を出せるわけですが、生産者からすれば一家を支える家業かもしれないわけで、そうなると、どういう納豆をいくらで出すかには相当の想いがあるはずですよね、と。

こんなに価格差があるのは、ホンモノと「もどき」があるからです。安いものはもどきである証拠で、ホンモノを使えば高くなるわけです。というか、もどきが大量にでまわっているからホンモノが高く見えるわけです。そんな状況なのに、そこまでしてホンモノを貫きたい生産者さんの想いを聞いてみたくなります。これって本当に大変なことだと思うのです。

ビジネス書はだいたい1,400〜1,600円の間で本を作ることで、価格については安心できる設計(=ほかと比べて高くないから売れるはずという気持ち)にしますが、言ってみれば「この人はホンモノだ!」という人の本は6,000円の定価をつけて売る、と同じようなことです。しかも、印税は20%とか30%ぐらい払って。なんか途轍もなく難しいことのように感じますが、納豆の世界ではそれを実現している人がいるということです。議論としては乱暴ですが、こういうことを考えると新たな可能性が見えてきますし、出版の内部だけで出版のことを考えても限界があるということなんだと思います。

書籍でも特定に人にそういう商品を買ってもらえる世界は作れる気がするし、そういう世界を作った人は本が売れるだけではなく、結果的に仕事も繁盛しそうな気がします(日本経営合理化協会はそれに近いことをやっていますね)。ただそういう世界を作るには、なんというか、専門性とかテクニックだけでなく、人を惹きつける人間性とか人格が問われるのだと思います。納豆の棚の前にいくことで、いろいろなことを考えさせられます。

※クライアント参照用

~セミナーのお知らせ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「あなたのコンテンツにベストな出版方法を考える戦略セミナー」の案内はこちら

「読み手を前のめりにさせる書籍の書き方をお伝えするセミナー」の案内はこちら

Related Articles: