正月休みにいろんなことを考える時間がとれたのだけど、自分が考えるべきことが
明らかになった気がするので、最初のエントリにしてみる。

いすみ鉄道の社長のこのブログ、とっても本質だと思う。
本当にその通りだと思う。

マスコミは「なぜ」を書かない、言わない。その理由は、その裏をとるのが大変だし
受け手感情にストレートに反応させた読者や視聴者をとれるから。
スピード勝負の日々の報道はそこまでやれない、という声も聞こえてきそうな気もする。
でもそこまでわれわれは単純じゃないよね、とも思う。「なぜ」を書かなければ知りたいことにまったく応えてない
と思えることもある。

訴訟問題の新聞記事でよく目にする被告側の
「訴状が届いていないので、コメントを控えさせていただきます」の文言は
読者の知りたい欲求にまったく応えていない。
そういう返答が返ってくることはわかっているのだから、もっと
打つ手はないのだろうか(いや絶対あるよね)と毎回思うことだ。

今回の中国人報道に話を戻すと、そもそも発信側に作りたいストーリーがあって
事実をそのストーリーに合わせているようだ。この社長が言うように
「中国人ってどうしようもないよね」ということを言いたいために
使ったニュースとも思える。表面的な現状ではなく、なぜを追求してほしい。

作り手のマインドとしては本作りも同じかもしれないと思っている。
頭のいい人たちが「こう書いたら、うけるよね」と
考えて書いているように思える文章に出会うことも少なくない。
曲解かもしれないが、自分も含め編集者がよく使う「読者目線」という言葉は
「多くの人がうける内容」を考えろ、と言っている気もする。

だれもが情報発信できる時代。一億総クリエイター時代に
考えるべきは、「これは本当なのか」を問う姿勢だと思う。

さらに気をつけなくてはいけないことは、今までにない情報の量と質を目の当たりにしているこの時代、
文章を目にして同感・共感することと発信する側には大きな隔たりがあることだ。
「そうだ、そうだ」と共感することも大事だけど、そういうことになぜこの人は気づいたのだろうかと
考えることはもっと大事なことだと思う。それを考えると必ず「人」に行き着く。
たまたま知ったこのいすみ鉄道の社長のブログだけど、がぜん興味が湧いてきた。
匿名の情報はおもしくない。

「これは本当なのか」と問い、本当のことを発信する1年にしたいと思う。

※このテーマは実は自分が哲学やメディア・コミュニケーションの大学院で勉強してきたことなのだといまさらながら思う。

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