自分が提供するモノやサービスの価格を下げることは一番安易なやり方と言われます。その理由は「こちらが設定した価格で、自分が提供するモノに、価値を見いだしてくれる人」に買ってもらう努力をしなけばならないからです。価格を下げると、提供する側が努力をしなくなることが危険なのです。

「安かったから、損はしていない」は本当か?

これは提供する側に言えるだけでなく、買う側にも言えます。安いものを買うと、そのモノやサービスに多くを期待しなくなります。買う際によく検討しなくなります。満足がいかなくても「安いから仕方ないか」と思うわけです。でも当初は何かを期待するから買っているはずですが、期待はずれのモノを買ってしまった自分への言い訳として「安かった」ことを挙げてしまうのです。「安かった。だからあまり損はしていない」と。でも本当に損はしていないのしょうか。

安い税理士に依頼した知人のてん末

ある知人のことなのですが、その人は税理士に安い金額で仕事を依頼しているようなのです(と同時に、税理士が安い金額で仕事を受けたということです)。安いとはいえ、依頼したほうからすれば税理士と契約をしたので、ある種の期待をします。他方、その事務所は、少人数で手広く業務をしているため、税理士の先生のレスポンスが悪いし、ほかの担当者との情報共有ができていないというのです。結果、その人の満足度は下がるわけです。当たり前ですね。

格安プランで仕事をうけた税理士の対応は

さらに問題なのは、事前に、その格安プランでの業務範囲の提示がなかったといいます。「何をやってくれて」「何はやらない」とホームページに公開しておけば、依頼するほうもへんに期待値を高めずにすみます(そもそも何種類のプランがあるか、わからないですし)。「(格安とはいえ)税理士に依頼した人」と「一番安いプランだから、優先順位を下げる税理士」の間に意識のズレが起きるのは当然です。税理士からすれば、その知人は大事なお客さんではないことは明白です。その人は、「こんなことだけしかしてくれなかったら、来年は自分でやる」と言っています。

まとめ

こういう話を聞くと、提供するサービスの価格はむやみに下げてはいけないし、購入する立場でも安いものを安易に買ってはいけないと思いました。気持ちが必ず仕事に表れるからです。大事に接してもらえないと感じたら、人は絶対に去ります。税理士さんはほかにもたくさんいるわけですし。そんな話を聞くと、「私たちはこういうサービスを提供するので、これぐらいの金額を払ってください」と言える人に頼むべきなのでしょう。

==【昨日の活動・所感】==================

・わがままな著者、謙虚な著者いろいろな人がいるけれど、わがままな人とあえてつきあいたいと思う編集者はいない。

・人を否定すると、自分が否定される、そんな言葉が頭をよぎる。

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