事務局としてかかわっていた、図会議マスター講座(1期・2期)が先週末終了。受講生の熱心な姿を目の当たりにして、自分も前に進みたいと思ったし、こういう環境にいられることを幸せに感じた。

図解という言葉は多くの人が聞いていることと思う。ただ、その言葉からイメージする内容はさまざまだ。出版の分野でもいろんな図解の本がでている。その大半は、自分の思考を整理するとか複雑な問題をシンプルに可視化するための方法論として語られている。

日本図解協会の図解も、その役割は果たすものの、それだけではないと改めて思った。図解を通して自分軸を探り、相手とのコミュニケーションを飛躍的に高めるツールになっているし、図会議法=図を使った会議ファシリテーションは多くの人の意見をどうヒアリングして、どうまとめるかというところに力点がおかれている。「多数決禁止」という言葉はその内容を示すキーワードになっている。発言の裏を知ることの意味がわかる(これは文章を書く上でもとっても大事なことだと思う)。それが「コミュニケーションを図解し、図解でご縁をつなぐ」ことの意味だと理解した。図解というツールで、こういう普遍的なテーマに切り込めると受講生は感じたのではないかと思う。

自分の軸は自分の仕事にいかさなければならない。キャリアやビジネス、マーケティングにも話が及ぶところがこの講座の内容を際立たせている。多部田さん自身が、大企業をやめて個人で仕事を立ち上げたからこそ伝えられる内容だと思った。昨年会社を辞めた人とは思えない。個人事業としてどうやっていくかまで話が及ぶ。粗削りだけど勢いのある講座に皆が引き込まれる。自分が会社をやめたときは、個人としてなんにも仕事ができなかった。自分らしく生きるにはこういうことを学ぶ機会は必要だ。

自分軸をさぐる、というテーマと図解は結びつきにくいかもしれないけれど、その意味は、多部田さんがひたすら図解をもとに各個々人の在り方を問う質問するところにある。他問自答からこれから永遠と続くであろう自問自答が始まると言ってもいいかもしれない。図解はそのキッカケにすぎない。あとは個々人の実践に任されている。だからこそ今回修了生に授けられたのは、仮免許状なのだ。

図解でなくても、自分軸や在り方は探れるし、同じようなことをやっている団体はあると思う。ただ、自分は縁あってここに関わり、こういうことを図解でやってのけるのがとてもおもしろいし、意味あることだと思った。参加者はそれを実感したことと思うし、その内容や姿勢から自分も学ぶことがたくさんあった。そして図解とはなんなのか?何ができるか?は我々が常に考えるべきテーマだ。こういうプロセスは与えられた仕事だけを無自覚にやっているとわからない。自分自身で学んだり、気づきを得ることはもちろん大事だけど、人を通じて学ぶことも同じく重要だと思った。

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